君ラブクエスト -第七章-
二人のハルカを眺めながらる。二人はポッと顔を赤くして、顔をそむける。

「これからどうするの?」「そうですよ。まずは、お姉ちゃんをどうするかですよ」

確かに、当面の問題はそこだろうな。でも、このままでも問題は無いよ気がするんだが。

「仕方が無い、このまま連れ行くしかないだろ」「え!連れて行くんですか!」

アカネは凄く驚いた顔をする。

「仕方が無いだろ。それとも、ここに置いて行くのか?」「それは…」

アカネは下を向いてしまう。それを見て頭をかく。その時、建物が激しくゆれだす。

な、何だ!

「な、何だー!」「とりあえず、逃げるわよ!」

それを聞いてコックリと頷き、大急ぎで出口に向かって走り出す。



外に出て、その場に倒れこむ。

「だー…助かったー」「本当にどうなってるのよ…」「まったくです…」「まったく、死ぬとこだったさ」

「大変だったね」「そうだね。これからどうするの?」「そうだなー。とりあえず、町に戻ろう」

「で、町ってどっちなのさ?」「あ!」「もしかて、判らないの?」

アユが冷やかに聞いてくる。それに対して、コックリと頷く。この後、アユが吠えたのは言うまでも無い。



何とか町に戻ることができ、宿に入りってこれからのことを話し合う。

「で、これどうするのさ?」「まー、とりあえず。あいつらを倒さないとな」「そうね!」

「でも、どうして私達の偽者なんか作ったんでしょうね?」「それは、こいつに聞けばいいさ」

アユは、偽ハルカを指差す。

「それは無駄だろう」「あんでさ?」「何で作られた知ってはずが無い!」

アユはしばらく考え込み、何時ものようにさび声を上げる。

「だからね。私達は作られてただけで、そこから先のことは一切知らないの…」「だろうな」「ごめんね」

「誤ること無いわよ。別に、ハルカが悪いわけじゃないしね」「うん…」「そうだよ。気を落とさないで」

ハルカは、そっと偽ハルカを引き寄せてて頭をなでる。

「とりあえず、今日はゆっくりと休もう」「そうですね」「じゃ、何かあったら呼んでくれ」「うん」

部屋を出て、自分の部屋に入る。そのまま、ベットに倒れこむ。

もう一人の俺、すべてが俺とまったく同じ。勝てるのか? 今のままで、勝てるんだろうか?

絶対に無理だ、今のままだったら…。今度は確実に殺される。

その後、しばらくボーっと天井を眺める。

「居るんじゃない!居るんだったら、返事くらいしなさいよね!」

声がした方を見ると、ミツキが立っていた。

「何度呼んでも、返事が無いから心配しちゃったじゃない」「悪かったよ。で、用事って何だ?」

「あ、そうそう。夕食だから呼びに来たのよ」「もうそんな時間か?」「早く行かないと、無くなるわよ!」

ミツキは悪戯ぽく笑い、部屋から出て行く。

こんなこと、うじうじ考えてても仕方がね〜な。

ベットから跳ね起き、ドアの所に行く。するとドアが勝手に開き、ミツキが顔を出して一言

「今日は、ありがうとね」

と言い、俺の腕を取って歩き出す。



夕食を食べ終わり、部屋に戻る時にアユが何やら考え込んでいるのに気が付く。

「どうした?」「あん? なんでもないさ」「そうは見えないがな」「あんたには、関係の無いことさ!」

アユは、プイっとそっぽを向く。それを見て頭をかく。

「何か悩みでもあるのか?」「うが!あんでさ?」「いや、なんとなく…そう思ったんだ」

アユは軽く下を向く。そして、ゆっくりと顔を上げて俺の方をじっと見る。

「あんただけには、本当のことを言っとくさ」「本当のこと?」「そうさ…実は、私は…」

アユのこんな深刻そうな顔を見たのは、これが最初だった。

突然一つの部屋のドアが開く。俺とアユは驚きのあまり、小さく飛び上がる。

「あ、ちょうど良い所に居たわね!ねー、一緒に飲みましょう! 皆、倒れちゃったのよ」

そっと、部屋の中を覗いて見ると、見事に皆ぶっ倒れていた。

あちゃ〜…。これは酷いなー。ん? アレって、まさか…。

窓辺で二人で、酒を酌み交わしてる人影があった。ダブルハルカである。

「さ〜、飲みましょう〜!」「うわ〜!ちょっと…」

ミツキになかば強引に中に引っ張り込まれる

第八章に続く


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