君ラヴクエスト -第六章- |
「今から五年ほど前のことさ…」「五年前…?」「五年も前のことを未だに根に持ってるんですね」 「執念深い人なんですね…」「俺ってそんなにひどい事をしたのか?」 「うがあああぁぁぁ…! 黙って聞け〜! ボケが〜!」「お、悪い!」 「今度邪魔したら…鉛球をプレゼントするわよ」「判ったから、さっさと話せ!」 そいつはゆっくりと語りだす。 「今度は、あの船はを狙うさ!」『お〜!』「何か近づいてきます…」「あんですと〜!」 マユマユから双眼鏡を受け取り、除いてみる。 確かに何か近づいてくるわね〜。はん!男と女が乗った小船じゃないさ。 「砲台の準備!」「御衣! 砲台準備!」『了解!』 ふふふ…あんな小船。砲撃一撃で静めてやるさ。 「撃て〜!」 ドン! 一発目は外れる。 「次!」「御衣!」「外すんじゃないわよ!」 ドン! 「撃て〜!」 今度は命中したが、ぶつかる瞬間に二人は、飛んで船に乗り込んでくる。 「ずいぶんと手荒い歓迎だな」「本当ね。どうやって帰ればいいのよ」 「あにをしてるさ! さっさと捕まえろ!」「御衣!」 ボキボキ…。 「私に任せて、ムシャクシャしてたのよ」「いいぞ、だけどやりすぎるなよ」「判ってるわ!」 女の方が一人で突っ込んでくる。 馬鹿な奴ね。一人で勝てるはずが無いさ。 しかし、予想を裏切り次々に船員を倒していく。気がつけば、ほとんどの船員が倒されていた。 「さ、次は誰?」 女が一歩動けば、一歩さがる。 「あにやってるのさ! あにてこずってるのさ!」「ですが…こいつは…」「もういいさ!私がやるさ!」 「お、やっと御頭さんのおでましか〜」「この子もやって良い?」「うーん…仕方が無いな」 「有難う。さ、かかってらっしゃい!」「うがあああぁぁぁ…! なめ腐って…痛い目みてやるさ!」 女が身構える。私も銃に手をかける。 「終わったら起してくれよな。それと、この船を壊すなよ。帰れなくなるから」「OK」 「あに勝手なこと言ってるのさ! この船は渡さないさ!」「まったく、中身まで子供ね」 こ、子供…。 「うがあああぁぁぁ…! 誰がガキじゃ〜!」 女目掛けて撃つが、簡単によけられる。 「落ち着いて下さい…頭、あれは敵の作戦です」「なにやってるの? お子様…」 「絶対に殺す! ぶっ殺す!」 一瞬で目の前までやって来きて、にっこりと笑う。 「バイバイ…」 女はそう言って腹を殴る。意識が少しずつ薄れて行く。次に目を開けた時は、たるの中だった。 女は、私達をたるに詰めて、海に捨てたのだ。 「うがぁ!」「頑張ってね…ここの海域は、鮫が出るらしいから」「あんですと〜!」 「そんなことが…」「俺は何もしてないぞ…ただ、寝てただけらしいし…」 「そうですね。そんなので恨まれるのは、迷惑ですね」 船室の入り口のドアがすごい行きよいで開く。 「人が気分が悪くて寝てるのってのに…」「うがぁ…あいつは…マユマユ、撃て〜!」「御衣!」 ミツキ目掛けて砲丸飛んで行く。ミツキはそれを素手で破壊する。 「だから、静かにしてって言ってるでしょがー!」 ミツキは海賊船に飛び移る。 「あ、あの日の繰り返し…」「ど、どうしましょう…」 ミツキは海賊船で暴れまくる。 「あの…止めないで、良いんですか?」『絶対に無理!』 俺と茜ちゃんはそう言いながら、顔の前で手を左右に振る。 そして、海賊船は頭の叫び声とともに海の中に沈んで行く。当然だが、ミツキは帰って来ている。 戻って来た水月は俺の方を向いて… 「ワギャー!」 |
ー第七章に続くー |