君ラヴクエスト -第五章- |
体を起こして、額に手を当てて横に振る。 ここは何処? 牢獄…? 「やっと、お姫様のお目覚めか〜」 誰? 暗くて顔がよく見えない。 「私をどうするき?」「今の所は何もしないさ。そこのモニターを見てみろ、面白いものが見れるぞ」 モニター? 言われた通りにモニターを見て、驚きのあまり言葉を失う。 「どうだ? 面白い物だろ。自分と愛した人が戦う姿は!」 何で、私がもう一人居るの? 「おやおや。驚きのあまり声も出ないか?」「アレはいったい誰なの?」「誰って、見ての通りだ。君さ」 「馬鹿な事を言わないで!」「威勢がいい事で。そこで、ゆっくりと彼が倒される所を見るといい」 何か手は無いの? このままじゃ、こいつの思う通に…。 ドアを開けて中に入る。 「あれ?」「あれ〜?」「うが!何で外に出てるのさ!」 3人は辺りを見渡す。そこは間違いなく、洋館の入り口だった。 「どうなってるのよ?」「なめた真似してくれるわねー!うがああああぁぁぁ…………ぁぁぁああああ!」 「お帰りなさい」「やっぱり、別次元に繋げられたんだと思うんだ」 「お姉ちゃん、そんなこと出来るの?」「うん、何かの本に書いてあったよ」 「だったら、私達は奥には進めないって事になるさ」「大丈夫!」 ハルカは胸を張る。 「お姉ちゃん…何か、作戦でもあるの?」「うん!もちろん!」 アカネは、あんまり聞きたくなさそうな顔をする。 「で、どんな作戦なのさ?」「えーとね…」 「なかなか粘る物だなー」「当然でしょ!負けるわけ無いでしょ。猿真似なんかにね」 「たいした自信だなー」「当たり前よ!私は信じてるから。きっと助けに来てくれるってね!」 「その自信、何処まで続くかな。ふふふ…」 何? 最後の不適な笑いは? もしかして、他にも誰か居るの? だったら、急いでここから出ないと。 とりあえずあの手を使って、ここから出るしかない見たいね。 髪留めを外して、それを伸ばす。 ミツキ様をなめないでよね。この技は、アカネに教えてもらったんだっけ? 少しは、感謝しないとね。 そっと鍵穴に髪飾りを突っ込む。 『さすがだなー偽ミツキさんよ』『その呼び方は侵害ね〜。私が本物ってこともあるのよ』 『それは絶対に無いな!』『どうして?』 『理由は簡単だ!本当のミツキは、もっと可愛い!』 「なんだこいつは…緊張感の無い奴だなー…」 本当にそうね、もっと緊張感ってものを持ちなさいよね〜。 カチ! よし、開いたわ! 後は、あいつを縛り上げて…。 ロープを持ってそーと後ろから近寄る。 「ふ…そんなことで私が偽者だって、証明したつもり?」 やっぱり無理があったか…。 「まったく、時間の無駄だったみたいね〜。さ〜、私のために死んで頂戴!」 ミツキは剣を振り下ろして来る。それを剣で止めるて、そのまま弾き飛ばす。 「どうする? 剣はもう無いぞ!」「それはどうかしら?」 ミツキはそう言うと、素早く俺の懐に入ってくる。 な、何てスピードだ! 腹に3発と顎に一発くいらう、壁に向かって蹴飛ばされ、そのまま壁に減り込む。 「ふふふ、どうかしら。私のスピード」「く…さすがだな」「私は、本来こっちの方が強いのよ」 「そうだったな。すっかり忘れてたぜ…」 ミツキは、壁に減り込んだ俺に向かって、連続で打ち込んでくる。 「さようなら!」 ミツキはそう言うと、大きく振りかぶりる。 これまでだな…。 覚悟を決めて、目を閉じる。 「そこまでよ、偽者さん!」 え!この声は…? ゆっくりと目を開けると、ミツキがミツキの腕を掴み、攻撃を止めていた。 「まったく、そんなになるまで何やってたのよ〜?」「これから、ぶっ倒すところだったんだよ!」 「あら、そう。だったら、お邪魔だったかしら?」「感動のご対面の最中に悪いんだけど」 「とりあえず、あいつを倒さないとな」「そうね。私の偽者なんて作った事を後悔させてあげるわ!」 その時、壁が爆音とともに崩れる。 「ゲホゲホ…何よ、火薬の調合は任せろですか!まったく、あなたに任せたのが間違いでした!」 「あんですと〜!私が悪って言うんかい!」「他に誰が居るんですか!」「乳臭い額のくせに!」 「やりますか!」「うがああああぁぁぁぁ…」「フ〜…!」「ねー、二人ともやめてよ〜」 その光景を俺とミツキと偽ミツキは、呆然と眺める |
ー第六章に続くー |