君ラヴクエスト -第弐拾一章-
「どうしたの? 私を殺すんでしょ?」

デビハルは大きく手を広げる。

これは罠だ。うかつに近づくと、返り討ちにあうのがおちだ。

頭に血が上ったスミカには、そんな事を判断できるわけも無く、デビハルへと突っ込んで行く。

「ま、待て!これは罠だ!」「ふ、馬鹿な女…」「死ねー!」

デビハルはスミカの攻撃を難なくかわす。

「何で!どうしてあたらないの!」「今度は、私の番だね」

デビハルは不適に笑い、スミカとまったく同じ動きで攻撃をする。その攻撃は全てスミカを捕らえる。

「ふ、他愛も無いわね」「な、何だ…今のは…」「これが私の能力の一つ。コピーよ!」「コピーですって!」

「そう、一度見た相手の動き等を瞬時に自分のものにするのよ。だからこんな事もできるのよ!」

デビハルの前に黒い球体が現れ、剣へと形を変える。それ掴み地面へと突き立てながら叫ぶ。

「ガンフレイム!」

突き立てられた剣の先から、火柱がスミカ目掛けて走る。

「あ、危ない!ガンフレイム!」

ミツキのガンフレイムと、デビハルのガンフレイムがぶつかり合って打ち消しあう。

「互角!」「言ったでしょ。動きや威力等はまったく同じだって」

「って事は、お前に攻撃をすれば、まったく同じ攻撃が返ってくるって訳か…」

「そうよ。でも、あなた達が勝つ方法はただ一つ!私に攻撃をする事!それしかないわ!」

「いや、もう一つ方法がある!」「あら、それはどんな方法かしら? 思いつかないわ?」

「それは…仲間になる事だ!」「あ、本当!そんな考え方もあるわね」

後ろから肩を掴まれる。

「何を言ってるのかしら〜」「本気じゃ…無いですよね〜」「もし、本気だったら、この場で撃ち殺す!」

「冗談だって…」

皆は疑いの眼差しで俺のことを見てくる。

俺ってそんなに信用無いのかよ〜。

「次はこれよ!空刃斬!」

空気の刃が俺に襲い掛かが、横に飛んでかわす。

「タケルのまでもか…これは厄介だなー」「そうね。攻撃をすれば相手を強くするだけ…」

「どう、自分達の技をでやられる気分は? さぞや悔しいでしょうねー。そろそろ、終わりにしましょうか」

剣はまた形を変化し、今度は銃になる。

「今度は、私の技を!」「そうよ!自分の技で死ねるのなら、本望でしょ?」

デビハルは大きく飛び上がり、下向きに銃を構える。

「短い間だったけど、楽しかったわよ。さようなら…」

く…ここまでか。ここまでなのか…

第弐拾弐章に続く


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