君ラヴクエスト -第弐拾章- |
「そこのあなたは、女神族だよね」「はん、それがどうかしたのさ!」 「そう、やっぱりそうだったのね。だったら…」 デビハルは目にもとまらぬ速さで、アユの前に移動する。 「死にな!」 デビハルはふっと笑う。デビハルは手から光線をだす。 「あんですと〜!」「アユ〜!」 後ろの壁が粉々になる。 「まだなの?」「疲れたの? 歳だから仕方が無いよね…」 ケイはフッと笑いながらチヅルを見る。 「何ですって〜!」「怒るとシワが増える…」「二人とも、それくらいでやめておけ。本当にシワが増えるぞ!」 「それって…けなしているの? それとも…」 その時、かなり後ろで爆発する音がする。 「今の音って…何?」「とりあえず、行ってみましょ」 音のした場所に向かって走り出す。 「まったく、世話が焼けますね〜」「はん、誰が助けてくれって言ったのさ」 「そんなこと言うんですか〜。手を離しても良いんですよ」「ちょ、ちょっと待つさ!」 ワイヤーでぶら下がった、アカネとアユを見上げる。 「さすが、泥棒だなー。あの一瞬であそこまで…」 アカネは降りてくるなり、俺の所にやって来る。 「言っときますけど、私は泥棒じゃありませんから! トレジャーハンターですから!」 「どっちも同じような物だろ?」「全然!違います!」「一応、礼を言っとくさ…」 「よくかわしたわね。誉めてあげるわ!」「有難う御座います」「でも、次はどうかしら?」 デビハルは不適な笑みを浮かべる。 「ねえ、タカユキはどうなったの?」「そういえば…」 ハルカの方を見てみると、黒焦げのタカユキに向かってハルカが必死に何か言っていた。 「あ…きっと、失敗したんですね」「そう…みたいね」 俺とミツキとアカネは、呆れ顔でその光景を見る。さっき開いた穴からメイヤ達が入って来る。 「いったい、何がどうなってるの?」「ねえ、タケルちゃんは?」 俺は軽く俯き、タケルを指差す。スミカは、それ見てぺたりとその場に座り込む。 「た、タケル…」「なんてこと…」「ねえ、タカユキ君は?」「タカユキなら、あそこよ」 ミツキはゆっくりと、タカユキを指をさす。ハルカは走ってタカユキのところに行く。 「あらあら…人数がかなり増えたわね〜。でも、私を倒すまでには、役不足ね」 「貴様だな、タケルにあのような事をしたのは? 許さん!」 メイヤは刀を抜いて、デビハルに向ける。 「よくも…タケルちゃんを…殺したわね!絶対に許さない!」 スミカは立ち上がり、キッとデビハルを睨みつける。その目には涙が溜まっていた。 「人間って馬鹿な種族ねー。そんなに死に急ぎたいのかしら?」「あなたは、私が倒す!」 「できるものなら、やってみなさい!無理だけどね」 デビハルは不適な笑みを浮かべる |
ー第弐拾壱章に続くー |