君ラヴクエスト -第拾八章-
「絶対に許さない!許さないんだから〜!」

デビハルがそう大声で叫んだあと、物凄い衝撃で壁へと飛ばされ、体の自由を奪われる。

「く…体が動かない…」

デビハルは俺の所まで飛んできて、フッと笑う。

「あなたは一番最後ね」「最後だと!」「そうよ、仲間が殺されのを見て、絶望しながら死になさい」

「く…」

必死に体を動かそうとする。

「無駄よ!絶対に動けないわ。そうだわ。面白い事を思いついたわ」「面白い…事?」「フフフ…」

デビハルは不適に微笑んで、タカユキの所へ飛んで行く。

「まさか…!」「フフフ…さすがね。今のあなたに何ができるのかしら?」「駄目!タカユキ君、目を開けて!」

「ちょっと!タカユキ速く目を開けなさいよ!」「さっと目を開けんか〜!ボケ〜!」

「あらあら…自分達があんな事をしといて、そんな事を言うなんて可笑しな話ね。でも、遅いわよ」

「やめて〜!」「さー、タカユキ君。私のために働いてね!」

デビハルはそう言ってタカユキにキスをし、ゆっくりとその場から離れる。

「これから、面白い余興が見れるわね。タカユキ君、私の敵をやっつけて…」

「そうだな。さっさとやっちまうか〜!」「ちょっと、タカユキ!私が判らないの?」

「無駄だ!今のタカユキに何を言っても、タカユキには届かない!」「そ、そんな…」「タカユキ…君」

「あなた達も動けないとフェアーじゃないわねー」

デビハルがパチンと指を鳴らすと、体が動くようになった。

「ねえ、どうします? タカユキさん自身は操られてるだけ…」「そうね…気絶させるしかないわね」

「はん!そんな事しなくても、これで一発さ」「駄目〜!そんなの絶対に駄目〜!」

「だったら、どうしろって言うのさ!」「私が何とかする!」「え、お姉ちゃんが…」「ハルカ…本気なの?」

ハルカは黙って頷く。

「だが、無理はするなよ」「うん、私の方をお願い」「判ったわ!」「お姉ちゃん。頑張ってね」

「まったく、仕方が無いわね」「皆、有難う…」「そうだわ、あなた達を殺す前にやる事があったわ」

「え!やる…こと?」「何なの? そのやる事って?」

デビハルは飛び上がり、タケルの所に降り立つ。

「あなたはもう用済みよ。だから死んでね」「な、何!」

デビハルは素手でタケルの体を貫く。

「え!」「ウソ!」「な、何て事を…」「さようなら…」

今度は、タケルの体に物凄い雷が降り注ぎ、タケルの体は真っ黒になる。

デビハルはタケルの死体をぶっきらぼうに投げ捨てる。



カガミは何かを感じ取る。

「どうしたの?」「タケルちゃん…」

カガミはそう言って走り出す。

「きっと、タケルの身に何かあったのだろう」「そうらしいわね。私達も行きましょ!」

「だが…ここを離れる訳には…」「大丈夫っすよ!俺達が居ますから」「この船は絶対に沈めさせから!」

「そうか、かたじけない…」「メイヤとハルカさん、行きましょ!」「うむ。そうだな」



「邪魔者は居なくなったは、そろそろ…始めましょうか?」「俺は、何時でもいいぜ…」

「私達…勝てますよね?」「このボケが!やる前からそんな弱気でどうするのさ!」

「そうよ、私達は勝てるわよ!」「そうだ、俺達は勝つ!そして、皆で帰るんだ…あの町に」

「勝つですって? フフフ…。人間ごときがこの私を倒すですって? そんなの無理に決まってるわ」

「無理かどうかは、やってみないと判らないぜ!」「無駄なにあがいて、死になさい!」

「キャー…」

竜巻が消える瞬間にタカユキが飛び掛って、剣を振り下ろすが紙一重でかわされる。

その後、後ろに飛んで距離をとる。デビハルの服が破れて床に落ちる。

「え!」「あ!」「マジで!」「ウソ!」「キャー!」「ちょっと…タカユキ〜!」

「これは、何の冗談ですか〜!?ん〜!?」「糞虫の分際で…覚悟はいいでしょうね〜」

「タカユキ君の…変態!」「ちょっと待て…アレは事故だジコ…」


しばらくお待ち下さい。ただいまボコボコにされてます。


タカユキは戦闘不能になったか。仕方が無いよな…あんな事すれば当たり前だけどな。

「まったく、何を考えてるのよ」「俺は本当に事故だと思うけど…」「事故なら、何しても良いんですか?」

「嫌…別にそうは言ってないけど…」「うー…タカユキ君の…馬鹿」

「さて、あちらさんの着替えも終わったみたいだな。お!前よりマシになったな」

「今のハルカに近い格好ね」「そうですね」「もう絶対に許さないだから!」

「俺的には、前の方が良かったな…」

ぼそっと呟く。

「今、何か聞こえたんだけど?」「き、きっと気のせいだ…」「そう…」

「さっさと、あんなザコぶっ潰すさ」「そのザコにやられたのは何処の誰ですか?」

「うっさいわ!アレは油断しただけさ」「はいはい…」「あんなのさ!その言い方は!」「やりますか?」

「上等じゃないさ」

アカネとアユは睨みあう。

「第2ラウンドといきますか」「そうね」「絶対に許さない!私にこんな恥をかかしたあなた達を…」

第拾九章に続く


戻る