君のぞRPG〜第八章〜 |
「嘘だろ? こんな所を登るのか?」 目の前に聳える、山々を見る。 「仕方が無いでしょ。このルートが一番の近道なんだから」「さては、自信が無いのね?」 「なんだと〜! こんな山くらい、登ってやぜ!」 そう言って威勢良く登り始める。 「単純な奴は扱いがらくだで良いさ」「さ、私達も行くわよ!」 「うへ〜…まだあるのか?」「さっきまでの威勢は何処にいったの?」「運動不足ですね!」 アカネはキッパリという。 「あの…ここで少し休憩を取りませんか?」「ユキもこう言ってるんだ、休もうぜ!」「ダメ!」 言った端からミツキに否定される。 「ユキさん。彼に同情してそんな事を言ってもダメよ!」「甘やかすとつけあがりますから!」 ミツキとアカネは冷ややかに俺のことを見る。 「まったく、こんな貧弱男に船を沈められたと思ったら、あほらしいわね…」「そうですね」 船を沈めたのはミツキだろうが! 「さ、先を急ぎましょ! 私達には一秒でも惜しいのよ!」 ミツキはそう言って歩き出す。 「あ、待って下さい!」「マユマユ…行くわよ!」「御衣!」 ユキは俺とミツキ達を交互に見て、申し訳なさそうな顔をした後、ミツキ達の所に走って行く。 「おーい…」 シーン… マジで置いてかれた…。まずい、この辺りの地図はミツキが持ってる。 急いで走ってミツキ達に追いつく。 「どうにかならないのか? この吹雪…く」「ここは、ずっとこうなのよ」「この異常気象は最近始まったそうです」 「うがああぁぁ…何も見えないさ!」 もう吹雪の中を頑張って進む。いきなり後ろに引っ張られ、岩目掛けて投げ飛ばされる 「がは…!」「どうした? 俺の気配すら感じれなかったのか?」「お前…何者だ?」 「ふ、死んで行く奴に名乗る名前などないわ〜!」 そう言って切りかかってくる。剣を抜いてそれを受け止める。 「く…何故…俺を狙う!」「死ぬ貴様が知る必要は…無い!」 剣に体重を乗せてくる。次第に、顔に剣が迫ってくる。 「俺は死なねー!」 そう叫んで剣を払いのける。 くそ…なんて力だ…。ん? 何でここだけ吹雪いてないんだ? 「ようやく気がついたか。あの吹雪は俺がやったのさ!」「何故そこまでする?」 「関係の無い事だと…言ったはずだー!」「ぐ…」 吹っ飛ばされて雪塗れになる。 「どうした? それがお前の本気か? それとも…もう諦めたのか? 仲間もいないお前に勝ち目は無いか?」 「俺は…絶対に諦めない! ミツキとまた会うまで! 笑顔でミツキと会うんだ〜!」 そう叫び、黒騎士に突っ込んで行く |
ー第九章に続くー |