君のぞRPG〜第七章〜
船から降りて、その町の食堂に入って食事をしながら、今後の進路について話し合う。

「今は、このガンガレーグよ。ここからそのまま北に向かうわ」「そこに何かあるのか?」

「北に行くと、裏の世界では知らない人はいないって程の人が住んでるんです」

裏の世界ね〜。

「今度の目的地は、このキーシティーよ」「おい…裏の世界のって…まさか、Aの事か?」

「そうよ。Aのことよ」「Aって何だよ?」「コードネームA 本名は何故なんです」

A…それに北国に住んでる…って事は一人しかいないと思うが。

「なあ…その人って、瓶なんか持ってるか?」「え、そうよ。よく知ってるわね〜」

やっぱり、あの人しかいない…。

「お待たせしまた〜」「遅いんじゃ! ボケ〜!」『御免なさいなの』

「おい! 何で…お前がここに居るんだよ…」「私がお助けしたんです。あまりにも可哀想でしたから」

「ユキが?」「はい…ご迷惑でしたか?」「ユキがしたんだったら、仕方が無いか…」

「さ、食べましょ!」


食事を終え、アカネとアユは情報集め、ユキとマユは宿探し任せる。そして俺とミツキは買出をしている。

「えっと…これとこれ頂戴!」「毎度!」「あと…防寒服を6着頂戴」「はいよ…」

「これでだいたいの物はそろったな」「そうね」

ミツキはにっこりと笑う。


「おやすみ…」

それぞれ、自室に入って行く。それを見届けて、部屋に入ろうとした時にミツキに呼び止められる。

「ん? どうした?」「あのね…」「中に入るか?」

部屋を指差とミツキは黙って頷く。

「で、どうしたんだ?」

ベットに腰掛る。ミツキも俺の横に座り、体を引っ付けてくる。

お、おい…いきなり、大胆なこと…ん?

ミツキの体は小刻みに震えていた。

「ミツキだけには、話しておきたい事があるんだ」「私…だけに…?」

ミツキの方を見て頷く。

「これから言う事を信じる信じないは、ミツキが決めてくれ…」「判ったわ…」

ミツキは頷く。それを見て話し始める。


ミツキはしばらく何も言わず、何かを考えている。

そうだよな…さすがに驚くよな。いきなり、違う世界の人間だなんて言われてもな。

こっちの世界の俺は、ずっとミツキと一緒に旅をして来たんだからな。

頭を掻きながら外を眺める。ミツキはゆっくりと顔をあげて、俺のことをじっと見る。

「今の話って、他に誰かにしたの?」「誰にもしてない…ミツキが初めてだ」「そう…なんだ…」

ミツキはそのまま黙る。

「私は信じるわよ」「え!?」

驚きの顔でミツキを見る。

「さっきの話よ。あなたが別の世界から来たって話。私ね思うの…あなたが誰であれ、
こうして今ここに居る。それは紛れもない事実。さっきの話を聞いたからって
それでさよならって訳じゃないでしょ?」

ミツキの言葉に何も返す言葉が見つからならない。

「だから、そんなに深く考えないで。私の前に居るのは誰? あんたでしょ? それで良いじゃない。
それで何か問題でもあるの? 私は無いわ。だって、私が好きになったのは…あなただから」

ミツキは最後の方を呟くように言う。

「今まで通に皆と一緒に旅しましょ? 良いでしょ?」

ミツキはにっこりと笑う。

「そうだな。俺って頭が悪いから変な事ばっかり考えて…もし話したらミツキに軽蔑されるん
じゃないかって勝手に考えて…。だから、今までずっと黙ってたんだ」

「本当に馬鹿ね。大馬鹿ね」「そこまで言うか〜?」「あははは…御免…」

しばらく見つめあい、大声で笑いだす。


「ねえ、あなたの居た世界の私ってどんな人?」

横に寝ているミツキが聞いてくる。

「ミツキと変わらないさ…」「じゃあ…アカネは?」「同じだ…」「何? その投げやりな返し方!」

ミツキは膨れる。

「ぶー!」「仕方が無いだろ? 同じものは同じなんだから」「ねえ、もっと向こうの世界の話を聞かせて?」

「判ったよ。何から聞きたい?」「あっちでの私とあなたの関係…」

ミツキの発言に驚く。

な、なんて事を聞くんだよ。

ミツキは期待を裏切るわけに行かず、話し始める

第八章に続く


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