君のぞRPG〜第弐拾章〜
「うがあああぁぁぁ…! もう来るなー!」「まったく、いくら倒してもきりありませんね」

「もう、ヘロヘロです〜」

アユは目の前の敵を一掃する。

「ウッシャー!」「ここは何処なんですか?」「何処かの建物みたいですね」

「狭い…狭すぎる!」「確かに…戦える場所は、ここと小部屋くらいですから」

そんな話をしていると、また魔物が沸いて出てくる。

「仕方がないさ! これだけは使いたくなかったけど…」「何かいい方法でもあるの?」

「私が合図したら、目をつぶるのよ!」「了解!」「御衣!」「いくさー!」

アユはそう叫び、床に玉を投げつける。その玉は床に当たると同時に、眩しい光を放つ。

「逃げるわよ!」

走ってその場を去る。


「な、何? あの光は?」

校舎からもれてくる、眩しい光を見て立ち止まる。

「判らないが、とにかく急ごう!」「うん!」

走って学校に向かう。


「はあはあ…ここ何処ですか?」「がむしゃらに走りましたからね…」「あのー、これは何でしょうか?」

マユマユが指差した先には、中に人が入ったクリスタルが並んでいた。

「はん! どうせ、悪趣味な実験でもしてるのさ!」「これって…タカユキさん!」

「あんですと!」「こっちにはアユさんのもあります!」「あんですと〜!」

アユは急いで行って確かめる。そこにはまぎれも無く、自分が居た。

「これはいったい…」「もしかしたら。これは、この世界の私達なのかも…」

アカネは、自分のクリスタルを眺める。そして、ゆっくりっと手を近づける。

「あ、こら。危ないから止めとけ!」

アカネはアユの静止も聞かずに、クリスタルに触れるが何も起こらなかった。

「何も起きませんね…」「はん、脅かしやがって…」

アユはそう言って、自分のクリスタルを何度も叩く。

アカネはしばらく、何をするでもなくただそのクリスタルを眺める。

「さっさと、こんな所でるに限るさ!」「そうです!」「呼んでる…」「あん? 誰がさ?」

「この人が…」

アカネはそう言って、クリスタルの中に入って行く。

「入っちゃいましたよ!」「私は、何も見てないわよ!」

アユはそう言って、自分のクリスタルにすがろうとすると、中に入ってしまう。

マユマユは辺りを見渡して、自分のクリスタルの中に入る。


「デヤー!」「ハー!」「ふー。一階はあらかた片付いたな」「そうね」

「それにしても、すごいな」「え? 何が?」「水月の力! ソフトボールが火の玉になったりするんだぜ!」

「えへへへ…良いでしょー」

水月は自慢げに言う。

「俺だってそれくらい出来るさ!」「え? そうなの?」「ああ…さて、体育館に行くぞ!」

「え? どうして?」「学校で、最も広い場所。グラウンド以外でな…」「体育館ね」「そう!」

水月の顔を見て頷き、体育館目指して走りだす

第弐拾一章に続く


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