君のぞRPG〜第拾八章〜 |
ガバ! 「ハアハア…」 額に手をあてる。 何だ…今のは? 夢…だったのか。 体中に汗をかき、服がぐっしょりと濡れている。何とか、落ち着きを取り戻して、ゆっくりと辺りを見渡す。 俺の…部屋? 訳も判らずに、そのまま呆然とする。 何でこんな所に居るんだ? 俺は確か… 額に手をあてて考え始める。 もしかして、今までのは全部夢だったのか? 何気なく手を置いた時、何かが手に触れる。それは、鞘に収まったままの剣だった。 これは…俺が使ってた 剣を鞘からだして眺める。 間違いない! これは、俺が使ってたやつだ。だとすると、あれは夢じゃなかったのか! 剣を鞘に戻して、窓に向かう時に何かに躓いて転んで、鼻をぶつける。 「あいててて…なんだ?」 鼻を摩りながら振り返ると、そこにはミツキが倒れていた。 え!? ミツキ! 「おい! ミツキ! 確りしろ!」「ん…」 良かった、生きてる。 「大丈夫か?」「うん…」 ミツキは体を起こして、頭を振る。 「ここ何処なの?」「俺の…部屋だ!」「え? まさか、あの時に言ってた…」 黙って頷く。 ゴソゴソ… 「とりあえず、これに着替えろ! こっちの世界だと、その格好はかなりだからな」 そう言って、ミツキに服を渡す。渡しされたミツキは、シラーっと俺を見てくる。 「ねえ、あなたの部屋よねー?」「そうだ!」「じゃあ、何でこれがある訳?」 ミツキはメイド服を指差す。 「それは…」「まあ良いわ。少し、後ろ向いてて」 言われた通り、後ろを向く。 うわ〜! 後ろでミツキが着替えをしてるのかー。見たい…でも、見たら殺される…確実に。 「もういいわよ…」 それを聞いて振り返ると、恥ずかしそうに頬を紅くしたミツキが立っていた。 「ねえ、本当にこっちの世界の人って、こんな格好してるの?」「無論だ!」 「何だか、またの間がスースーするんだけど…」「時期になれるって!」 ドンドン! ん? 誰だ? ガチャ! 「大変よ! たい…へん…よ」 部屋に入って来た水月は、部屋の中の状況を見て固まる。 「やぁ…」「誰?」 ミツキは水月を指差しながら聞く。我に返った水月は、俺を引っ張って部屋の墨に行く。 『あれ! 誰よ!』『話せば…長くなるから…』『何で、私そっくりなの? それに、何でメイド服なのよ!』 『だから、それは今から説明をするから…』 苦笑いを浮かべながら、水月を眺める。 「ふーん、そんな事があったのー。大変だったわねって言うと思ったら大間違いよ!」 ギュー! 水月は俺の耳を引っ張る。 「その手を離しなさい!」 ミツキは、水月の首筋に剣を突きつける。水月はゆっくりと耳から手を離す。 「あなた、いったい何のつもり?」「それは、私の台詞よ。いきなり現れて、何様のつもり?」 水月とミツキは睨みあう。 「まあまあ…二人とも落ち着いて…」『煩い!』「は、はい…」 俺はいったい、どうしたらいいんだよ〜 |
ー第拾九章に続くー |