君のぞRPG〜第拾三章〜
「どうして…お母さんが…ここに?」「あら、アカネも居たの?」「あの人は、アカネさんのお母さんですか?」

「ふん! それがどうしたさ! 私の前に立ちふさがる奴は、倒すのみ!」「あらあら…随分と威勢のいい人ですね」

「覚悟しするのね!」「あらあら…覚悟するのはどっちかしら?」「あんですと?」

「それは、これからすぐにわかるはずですよ」

その言葉に、一斉に背筋に寒気を感じる。


ゆっくりと目を開けて体を起こす。

ここは何処なんだ?

側に居るミツキを見て笑う。ミツキは目から涙を流しながら、抱きついてくる。

「お、おい…」「私…私…」「そうか…心配かけたな…」

そう言って、そっとミツキの頭を撫でる。

「皆の所に行こう! なんだかすごく嫌な感じがするんだ!」「大丈夫なの?」

「俺は平気だ!」「そう…ねえ、もう…こんな事なんて…無いわよね?」

ミツキのその言葉を聞き、さっき聞いた話を思い出す。

俺は…誰も死なせない! 絶対に!

ミツキの目をジッと見る。

「大丈夫だ。誰も死なせはしない。絶対に…」

ミツキはしばらく俺の顔を眺めた後、黙って頷く。

「その言葉、信じるわよ!」「おう! 行くぜ!」

部屋から飛び出す。


「あらあら…もう終わりですか?」「ば、化け物?」「お母さん…もうやめて。どうして、私とお母さんが…」

「それは、アカネが敵だからよ」「彼女は、あなた達では手に負えませんよ」「あ、アキコさん…どうしてここに?」

「あら、お久しぶりですね」「こんな形で再開するなんてね」「おい! あの二人は知り合いなんか?」

「私もよく知りません…昔、お母さんが何をやっていたか…」「ですが…かなり古くからの知り合いみたいですよ…」

「始めましょうか?」「そうですね…」

二人は同時に姿を消す。

「あんですと! 消えた!」「違います。二人の動きがあまりに速くて目に見えないんです…」

「何処を見ている! お前達の相手はこの俺だ〜!」

黒騎士は三人に切りかかる。

「く…油断したさ!」「死ねー!」

黒騎士はアユ目掛けて剣を振り下ろす。突然アユの前に何者かが現れ、その剣を受け止める。

「な、何者!」「…マイ!」「あははは…まじかるサンダー!」

黒騎士は後ろに飛びながら、落ちてくる電撃をかわす。

「ちぃ…次から次へとー!」「……覚悟!」「今度は、外しませんよー」

「おい! お前らいったい何者なのさ?」「サユリとマイは、ただの通りすがりの人ですから」

「通りすがりの人が、こんな事をするんですか?」「小さな事を気にしたら駄目…」

「はぁ…」「ザコが何人集まろうと、ザコはザコ! 死ぬまでの時間が延びただけの事!」

「……討つ!」「ここは、マイとサユリに任せて、皆さんは…」「ちょっと待てや!」

「ほぇ…?」「後から来て、随分と好き勝手なこと言ってくれるじゃない!」

「私達だって、まだ戦えます!」「それでは、一緒に戦いましょう」「御衣!」「判れば良いのさ」

「面倒だ! まとめて掛かって来い!」「……討つ!」

皆で一斉に黒騎士に向かって行く。


「ところで…皆は何処に居るんだ?」「え!? 知ってるんじゃないの?」

「俺が知ってるはずないだろ…寝てたんだし…」「私も知らないわよ!」

ズサー!

「それを先に言え〜!」「言う暇なかったじゃない!」「うぐ…どうしよう…」

「それは、私が聞きたいわよ!」「早く! こっちです」「ユキさん? 何でここに?」

「皆さんが大変なんです…」「わかった! 道案内たのぞ!」「はい! ユキに任せて下さい」

第拾四章に続く


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