君のぞQUEST〜プロローグ〜 |
「有難うございました…」「お二人さん。気よつけてな」「はい。いろいろと有難う御座いました」 船はゆっくと離れて行く。それを手を振りながら見送る 「さて、これからどうする?」「そうね…まずは、地図を手に入れましょ」「そうだな」 港町に行って、地図を探す 「あの…すみません」「はい?何ですか?」「この辺で、地図を売ってる所を知りませんか?」 「それなら、あそこだよ」 一つの店先を指差す 「どうも有難う御座います」 丁寧にお辞儀し、教えられた店に行く 「いらっしゃい!」「すみません。地図を買いに来たんですけど…」 店主はゆっくりと立ち上がり、後ろの棚をゴソゴソし始める 「何処の地図が欲しいんだい?」「えっと…この辺りので…」「だったら、これだな」 店主は一つの地図を俺の前に差しだす 「えっと、いくらですか?」「金は要らないよ!」「え!?でも…」 店主はにこやかに笑い、パイプをふかす 「俺が書いたやつだからな!」『え!?』 ミツキと一緒に目をパチクリさせる 「なーに、心配はいらんよ。こう見えても、俺は航海士だったんだ」 そう言って、パイプをふかす 「でも…航海士って海の…」「お嬢ちゃん…」「お、お嬢ちゃん!?」「俺のとっちゃー、海も陸も一緒なのさ」 「じゃぁ、貰って行きます…それで、一つ聞いても良いですか?」「何だ?」「ここって何処ですか?」 店主は手に持ったパイプを落とす 「お前さんら、そんな事も知らないでここに来たのか?」「はい…」「まぁ…」 店主はやれやれといった顔をして、地図の一点さす 「ここが、現在位置の『ブルッペ』だ!で、ここから東に行った所に『キャスパル山脈』ってのがある」 「キャスパル山脈ですか?」「おうよ!この山は、山賊がでるって噂だ」「山賊…ですか?」 「ああ…何人もの商人が襲われたって話がな…」 ミツキは何か考え始める 「おい…まさか…」「そのまさかよ!ねぇ!その山賊倒したら、懸賞金か何かでるの?」 「あたぼうよ!確か…10万K(クレジット)だ」 ミツキはそっと耳うちをしてくる 『ねぇ…Kって何?』『俺が知るか!たぶん、この辺りの通貨だろ』 ミツキはなるほどと頷く 「お前さんら、まさか…」「おじさん!安心して良いわよ。その山賊は、私達が倒してあげるから」 「やめとおけ!怪我するのがおちだ!」「大丈夫。こっちには強い味方が居るから!」 ミツキはそう言って、俺を前にだす 「お、俺か?」 ミツキはニコニコ笑いながら頷く 「止めても、無駄だな…」「当然!ところで、山賊の数は?」「二十とも、三十とも噂されている」 「それくらいなら、簡単よね?」 ミツキはニコニコしながら聞いて来る。顔の前で手を振ると、水月に尻を摘まれて飛び上がる 「行ってきますね…」「ああ…気よつけてな」 ミツキは俺を引っ張ったまま、行き良く店から出てゆく 「誰か〜。俺を助けてくれ〜!」 |
ー第一章に続くー |