君のぞQUEST〜第一章〜 |
「ここが、そうね!」「そうらしいな。立て札にもそう書いてある」 目の前の立て札を見ながら言う。 その立て札には『ようこそ!キャスパル山脈へ!』といかにも観光地風に書いてある 何だかなー。こんな所に山賊なんて居るのか? 「とりあえず。行ってみましょ」「そうだな。行ってみない事には、始まらないからな」 二人で山を登り始める。しばらく歩いていると、前から誰が走って来てミツキにぶつって尻餅をつく 「いたたた…」「御免なさい…大丈夫?」 ゆっくりと立ち上がったその子の顔は 『アカネ!』「え!?」「居たぞー!あそこだー!」 その子は、ミツキの後ろに隠れて震える。あかるさまに、がらの悪い男どもがやって来る 「何んでい。てめえらは?」「いきさつは知らないけど。弱い者虐めなんてかっこ悪いわよ!」 「うるせー!関係のない奴は引っ込んでな!」「そうは、いかないんでな!」 そう言って剣を抜いて、男どもの脇を通り抜けて、剣を鞘にしまうと同時に服が破れる。 「お、覚えてろよー!」「もう忘れたわよ!」 ミツキは愉快そうにそう言う 「もう大丈夫よ」 ミツキが優しく言うと、ゆっくりと水月から離れてお辞儀をする 「何で、あんな奴らに追われてたんだ?」「良かったら、教えてくれない?」 「はい…私を追ってきた人達は、この山に住む山賊なんです」「だろうな…」「それで?」 「この山を越えようとする。可愛い子をさらい、売りとばすんです。私の友達も…」 ジャスミンは泣き始める 「そうか…」 そう言ってゆっくりとミツキの方をみる 「何か言いたそうな顔ねー!」「いや…別に…」「あの…お願いあります!」 ジャスミンはじっと俺達の顔をみる 「お願いって…?」「私達にできる事なら、何でもしてあげるわよ」 ミツキはそう言ってにっこりと笑う 「お願いです!奴らを…山賊を倒して下さい!そして…友達を…」「任せて!」 ミツキはそう言いながら、ジャスミンの頭をポンと叩く 「まったく…物好きだなー」「何か…言った?」 ミツキは冷やかに見てくる。その視線に身の危険を感じる 「さ、行くわよ!」 ミツキはそう言って歩き始める。 「お、おい…アジトの場所を知ってるのか?」 それを聞いたミツキはピタッと立ち止まる 「私が、ご案内します」「何かあったら…」「大丈夫よ」 おい…まさか 「彼女の盾宜しくね!」「やっぱりかー!」 「ここです…」 高台の岩陰から見下ろす 「ざっと見た所、10人くらいねー」「いや!20人だ」「違います!30人です!」 「あは〜…」「やっちゃ…たかしら?」 二人でそ知らぬ顔をする 「とにかく。内部が全然判らないわね」「任せて下さい!」 ジャスミンは小枝を拾って来て、地面に見取り図を書き始める 「へー、たいしたもんだなー」「誰かとは、大違いね!」「うるせー!」 「まず、ここが正面入り口です。ここは警備が厳しく、なかなか入れません」 ウンウンと頷く 「人質は?」「ここです。一番奥の牢獄に…ここは、セキュリティーがあります」 「これはまた、厳重だなー」「奴らにとっては、彼女たちは大切な商売道具だからね…」 「私が、抜け出したのはここです!」 ジャスミンは建物の裏手の所を指差す 「ここに私がやっと通れる位の穴があるんです!」 ミツキとジャスミンを見比べて、溜息をつく 「何が言いたいの?」「ジャスミンは通れたが、身長の関係で俺達には無理だ」 水月はジャスミンを見て頷く。そして、水月は何か思いついたように笑う 「何か思いついたか?」「えっとねぇ…ゴニョゴニョ…」「なるほど!それ行こう!」 「あの…何か良い方法が見つかったんですか?」「バッチリ!」 ジャスミンに向かって、ブイサインをだす。ジャスミンは『は〜』といった顔で眺める |
ー第二章に続くー |