君のぞQUEST〜第四拾四章〜
いつもの様に移動中の時間を利用し、甲板で日向ぼっこをかねた昼寝をする

気持ちよく寝ていたが、その睡眠はすぐに邪魔される

「おい!コラ…」「ん…?うっせー。あっちいけ…」「あんですと〜!」

アユは俺の頬を横に引っ張る。目を開けてアユを睨み付ける

「あにふる!」「起きないのが悪いのさ!」「ほにかくはなへ…」

アユはさらに横に引っ張る。アユの喉に剣をつきつける

「はなへ…」

アユは最後に思いっきり引張って離す

「あいて〜!」「お前に聞きたいことがある…」「何だよ?答えるかは質問による」

アユは俺の横に座る

「お前の妹について、聞かせてほしいのさ」「何でお前に話さないといけないんだよ?」「私だけ…知らないのさ…」

アユは寂しげな表情で、自分の足を引き寄せる

「お前だけじゃないだろ?ミツキ以外全員だろ…?」「あいつは知ってるのか…」「俺が話した…」

「そうか…」

アユは寂しげな表情のまま、俺のほうを見る

「悪かったさ…」「はぁ…?何でお前が誤るんだよ?」「お前の妹…救えなかったから…」

アユの頭を叩く

「あいた…あにすんのさー!」「馬鹿かお前は?」「誰が馬鹿じゃ〜!」

思わずぷっと笑う

「あにが可笑しいのさ!」「いつもアユだなーって思ったんだ」「うが…」

アユは顔を紅くする

「女神っていっても、万能じゃないんだろ?人の生死なんて、生まれた時から決められてるんだ。仕方が無いさ」

「それで…良いのか?」「あぁ…言っても始まらないだろ?それで、死人が生き返る訳ないんだしな」

アユの方を向いて微笑む

「あんた…強いわね…」「いや、俺は弱いよ。すごくな…。あの時、ミツキに会わなかったら、今の俺は居ない…」

「あんですと…?あの女が何をしたのさ?」「ま、それは後々話すよ」


「現在はここです」

モニターに赤い点が点滅する

「で、敵の本拠地は?」「ここです」

今度は青い点が点滅する。その距離は、モニター状では百メートルくらいだった

「結構近いな」「ですが…」

霞が沈んだ顔をする

「何か問題があるのね?」「はい…」「何だよ?問題って…」「これです…」

モニターの映像が切り替わり、吹雪が映し出される

「な、何だよ…この吹雪は…」「これでは、中に入ることすら出来ません…」

「何か方法は無いの?甲板にアユを置いて一発…」

アユは銃座かよ

「それでも無理だよ…」「ハルカ…」「これは、人工的な物だから…」「この地域でこんなことなんて起きないよ」

「なるほどな…」「だったら…」「一つだけ、中に入る方法があります」『え!?』

その場に居た者が一斉に霞を見る

「ここに洞窟が一つあります、中を検索したところ頂上の城へと通じています

「そこを通って行くしかないってか…」「それしか方法が無いんだったら…」「中は入り組んでいて…」

「がたがた言ってないでさっさと行くわよ!」「そうだな」『うん…』「まったく…」

ミツキは呆れ顔で頭をかく

「ぎりぎりの場所に着陸します。皆さん…必ず…」

霞に向けてブイサインを出して笑う。出口に向かって歩きだした時、急に力が抜けてその場に座り込む

「あれ…?」「あにしてるのさ…?」「どうしたの…?」「大丈夫…大丈夫…」

そういって立ち上るが、今度は後ろに倒れそうになるが、ミツキが受け止めてくれる

「あれ…何でだ…?」「大丈夫…?」

次第に辺りの景色がゆがみ始める。その後すぐに、意識を失う

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