君のぞQUEST〜第四拾三章〜 |
家のドアが開き、中からユイがバケツを持って出て来る 「ゆ、ユイ…」 ユイはこっちに気がつき手を振る 「ユイって誰さ?」「俺の妹だ…」「あんですと〜だったら、今までのはあいつの悪戯なんかい!」 「さあな…本人に確かめてみる」 そういってユイに近づくと、ユイも嬉しそうにこっちに駆け寄って来る。駆け寄って来るユイに、アユは銃を向ける 「あ、アユ…」「お前…何者さ…」 真剣な眼差しで、ユイをじっと睨み付ける 「お、お兄ちゃん…」「な、何を云ってんだよ…ユイ以外の何者でもないだろ?」「こいつは、偽者さ!」 アユはそう叫んで、引き金を引く。弾丸がユイ目掛けて飛んで行く。すばやくユイの前に行き、弾丸を切り捨てる 「ば、馬鹿が…」「てめえ…俺の妹に何しやがる!」「今…自分で何をしたか解って…」 「ああ…解ってるさ。妹を守っただけだ。それがどうかしたか?」「お前は、敵に罠に…」 「妹を傷つける奴は、お前だって容赦はしないぞ…」 そういってアユに剣を向ける 「この大馬鹿やろうが〜!」 『もうじき、目的地に到着します』 と館内放送が流れる。ベットから跳ね起きて、ブリッチに行く 「あ、ミツキ…」 ハルカはモニターを指差す。モニターには彼とアユの戦いが映しだされていた 「え!?何で二人が…」「詳細は不明です。ですが、御二人とも本気です」 まずいは、あの二人が本気でやりあったら 「私は、ここから走って行くわ!」「解りました。緊急着陸にはります…」 ハッチの所に向かって走りだす。ハッチが開くと同時に飛び降りて走りだす 急がないと…あの二人が本気でやりあったら、どっちかが…確実死ぬ! 吹き飛ばされて、木々薙ぎ倒す 「はん!その程度かしら?あんたの実力ってのはさ〜」「云ってくれるぜ…」 ゆっくりと立ち上がる 「お前なんて、本気をだすまでもないさ!」「ふん、ずいぶんと強気ね〜」 「さてと、そろそろ良いかな…」「そうね。けりをつけましょうか…」 姿勢を低くし、アユに向かって走りだす。アユも照準を俺に合わせる アユの目の前で直角に向きを変えて、偽ユイに向かって行き切りつける 「アユ〜!」「解ってるわよ〜!」 アユのエネルギー砲が偽ユイを貫く 「どうして…」「馬鹿か、お前は…どうせ、俺とアユの同士討ちを狙ったんだろうけど」 「そんな簡単にはいかないのさ…」「俺は、こんな奴と心中なんて御免だからな」 冷ややかにアユの方を見る 「あんですとー!私じゃあ、不満だって…」「あ〜不満さ。こんな口煩い奴となんて御免だね!」 「うがああぁぁ…」「お前ともめるのはあとだ、その前に…」 偽ユイを睨み付ける。アユはそれを見てくるりと背を向ける 「私は何も見てないわよ」「悪いな…」 「おい…」「ん〜?」 木にもたれ掛かりながらアユの方を向く 「ユイって子…どうしたのさ?」「死んだよ…俺の目の前でな…」「悪かったわね…」 アユは沈んだ顔をする 「気にするなって。俺は決めたんだ、もう俺の前で誰も死なせない」 空を見上げる 「もう、あんな気持ちなんて二度と……」「さっき、本気で殺そうとしてたわね〜?」 ビクッと小さく飛び上がる 「尼よく場、私を処分できるとでも思ってたんじゃないでしょうねー?」「そ、そんな訳ないだろ…」 あははは…と笑い誤魔化す 「本気やらないと、芝居だってばれるだろ?」 アユは銃をこっちに向ける 「本気で…やろうとしてたのね…。覚悟は良いでしょうね」 アユは引きつった笑顔で俺をみる。俺達の間を一つの石が通り過ぎる 「あん…?」「何だ…?」 二人で石が飛んで来た方を見ると、ミツキが息を切らせながらたっていた 「おーミツキじゃないか」「何してんのさ?」「何って…二人を止めに……あれ?」 ミツキはきょとんとした顔をする 「ご覧通り、二人とも生きてますよ」「あれは芝居だったのさ。敵を倒すための」 「もしかして、本気で殺しあってると思ったか?」「はん。おめでたい奴よね」 二人で愉快そうに笑う。ミツキは小刻みに震えだす 「あんた達…今すぐに、私が殺してあげるわ…」「こ、こいつも偽者か…?」「いや…こいつは本物さ〜!」 アユがそう叫ぶと同時に走りだす 「待てコラー!」『絶対に……嫌だ〜!』『ずいぶんと騒がしいですね…』『あは……あははは…』 |
ー君のぞQUEST〜第四拾四章〜へー |