君のぞQUEST〜第四拾章〜
コンコン…

『はーい…』

ドアを開けてアカネが顔を出す

「準備は出来た?」「それが…」

アカネは申し訳なさそうな顔をしながら家の中を見る

家の中で何かあるのかしら?

中を覗いてみると、二人のハルカがじゃんけんをしていた。ポカーン口を開けてその場に立ち尽くす


「だーハァハァ…」

草むらに倒れこむ

「もう限界だ…」「ふん…だらしがないわね」「お前…しつこすぎだぞ…」

一晩中走り続け、今に至るわけである

「で…ここは何処なんだ?」「あん…?私が知るわけないでしょ。あんたの方が詳しいでしょうが…」

そういわれてもなー

辺りは見渡す限り草原が広がっている

「で、帰り道はどっちさ?」「解らん…」「あんですと〜!嘘を言ってるんじゃ…」「いや…まじめに言ってる…」

「じゃあ…」「迷子だ…我武者羅に走ったから、何処をどう走ったかなんて覚えてない…」

「うがああぁぁぁ…」


「なるほどね…どっちが行くかをじゃんけんで決めてるのね…」

呆れ顔でそれを眺める

「二人では、駄目なんですか?」

気がつくとハルカのお母さんが後ろに立っていた。驚きのあまり後ろに二三歩下がる

二人でねー。それも良いかもね

「ハルカ…」『あ、ミツキ〜』「二人で一緒にってのはどう?」

ハルカズはそれを聞いて、お互いの顔を見合わせる

「私は、別に良いよ…」「私も良いよ…」「決まりね!」「そうだわ。ハルカに荷物が届いてるわよ」

ハルカのお母さんは二つの箱を持ってくる

「はい…」

ハルカズは早速箱を開ける。中から杖が出てきた

『ミリアで〜す!』『ナリアで〜す!』

ま、まさか…

『二人合わせて、美人姉妹!』

やっぱり…って言うか、姉妹じゃないでしょが…杖なんだから

『ミツキ…変な声が聞こえるよ?』「あ、それは…」『そんな驚かないで』『私達の声だよ』

「え!?」「この杖の声?」『そう!』『大正解!』

また変なのが増えたわねー。どうして、こんな何のばっかりなの


「え〜!まだ帰ってきてないんですか?」「はい…昨晩から行方不明です」

「全く、何を考えてるのかしら?」「でも…」「アユさんが一緒だから大丈夫だと…」

それが一番心配なのよ…それが

君のぞQUEST〜第四拾一章〜


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