君のぞQUEST〜第三拾五章〜
あゆ…迷わず成仏しろよ

手を合わせて、新しくできた通路をしばらく進むと、頭に突きつけられる

「覚悟は…良いわね…」「あれ〜アユさん…生きてらっしゃったんですね…」

背中を何か冷たい物がすべり落ちる

「お前に復習するまでは、死なないさ…今の礼をたっぷりとさせて貰うわよ…」

何も考えずに突っ走る

「待てコラー!」

アユは銃を乱射しながら追いかけて来る。角を曲がりすぐ脇にあったドアに飛び込む

アユが部屋の前を通り過ぎて行くのを音で確認する

『自業自得だな!』「うるせ〜!手が入らなかったのは、事実なんだから仕方がないだろ…」

『ま、何の警戒もなく押す奴も押す奴だがな…』「だろ…」

そっとドアを開けて部屋からでて、あたり見渡すがアユの姿はどこにもなかった

ほっとしていると、後頭部に銃の感触を感じる。後ろを向くと、アユは天井の木を利用し逆さまにぶら下がっていた

「私をなめるなや…」

あゆは引き金を引く、弾丸は顔の横を通り過ぎる

「ギャアアァァァ!」

え!?

「あにぼさっとしてるのさ!」

振り返ると、床からスモッグが大量に出て来ていた。アユは華麗に一回転し降りて来る

当然…俺の上に

「うぎゃ!」「ふん!これくらいですんだだから、感謝しなさい!」「は、はい…」

アユは目をつぶり、銃を下に向けて羽を大きく広げる。銃にエネルギーが徐々に集まりだす

しかし、今のアユはまったくの無防備である。こんなチャンスを見逃すはずも無く、アユ目掛けて攻撃をしてくる

すばやくアユの前に回りこみ、それを受け止める

「おい…コラ!何をやってんだ…」『少しばっかり、時間貰いますぜ…』『なるほど…あれをやるのか…』

「何だよ…あれって?」『お前は目の前の敵を倒せ!』「わ〜たよ!」

無数に居るスモッグを切り刻んで行く。それから少しして、アユがカッと目を開ける

「どけ〜!」「ちょ、ちょっと…待て〜!」「死ね〜!」

アユは溜め込んだエネルギーを一気に放出する


ガラガラ……ゴトン!

「ゲホ…」「あら、生きてたの?しぶといわね〜」

こいつ、俺を殺そうとしたな絶対…。まさか、これがさっきの仕返しか?

「ま、ざっとこんなもんよ!」

アユは胸を張りながら言う

ポコン!

「あいた…あにすんじゃい!」「馬鹿かお前は!ここは地下室だろうが〜崩れたらどうするんだ!」

アユは『あ!』といった顔をする

「とにかく、今回は何も無かったから良かったけどな…」「ふん!」

しかしま〜綺麗に居なくなったな〜。ん…?あんな所に穴なんてあったか?

とりあえず壁に開いた穴のところに行き、中を覗きこむ。すると下に伸びる階段とドアが見える

ここも何か仕掛けで開くって感じだったんだろうけど、アユのエネルギー砲せいで開いたのか

「おーい。アユ〜」

そう言いながらアユの方を向くと、気持ち良さそうに寝ていた

ズサー!

『あねさんは、疲れて寝ちゃいましたで…』『まったく、凄いのかそうでないのか解らんな…』「どっこらせ!」

アユをおんぶして階段を降る

君のぞQUEST〜第三拾六章〜


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