君のぞQUEST〜第三拾一章〜
「離しやがれ…この野郎!」

必死にもがくが、がっしりと掴まれて振り払うことは出来ない

にやりと笑い、俺を左右の壁にぶつける

「がは…」

今度は、天井と床に叩き付けるられる

「げほ…」

最後に腕を後ろに振りかぶり、壁目掛けて投げ飛ばされ、壁を数枚破壊する。その衝撃のせいで気絶する

『起きんか!』

ゆっくりと歩いて近づいて来る

『コラ!起きろ…駄目か…』

腕を尖らせて、俺目掛けて突きたてようとするが、寸前で止める

『ど、どうしたんだ…?』

ゆっくりと手を引いて、地面に消えて行く

『どうやら助かったみたいんだ…』


「何だか、凄く気味悪いね…」「何か出そうだよ…」「そう思ってると、出て来るんだよ…」

「出て来るんなら、出てこいや!」

アユがそう叫びながら、上を見上げている時、ハルカの後ろに煙が姿を現す

「キャー!」「何事さ…」「お、お姉ちゃん!」

アユとアカネが振り返ると、煙は二人のハルカを抱かかえる格好でたっていた

「く…」

アユはイーグルを構える

『今攻撃したら、ワイのマイスイートハニーが…』「あとで蜂の巣ね…」『そなせっしょうな〜!』

アユはゆっくりとイーグルをおろす

煙はふわっと二人のハルカを連れたまま、その場から消え去る

「お、お姉ちゃん…」『マイスイートハニー…ん?』「どうした…?」『二階に誰か居ますぜ!』

「二階に…?」「もしかしたら…」

アユとアカネは二階に向かって走りだす


『ん…?この感じは…』『あ〜やっぱり、マテリアはん』『い、イーグル!まずい奴が来たもんだ…』

『どないしたんでっか?マテリアはん…?』『何でもない…』

アユは気絶した俺の前に仁王立ちし、勝ちほっこたように見下ろす

「ふーん…良いご身分ね〜。こんな所で昼寝とは…」「多分…違うと思いますが…」「起きろ!」

ガス…ボコ…

アユは、しばらく俺の事を蹴り続ける

「起きろ〜!」

アユの一撃を手で止める

「てめ〜!何発蹴った…」「起きない方が悪いのさ!」「俺がどんな目にあったのか、知らないだろうが…」

ふにゅ!

「あだだだだ・・・」「お返しはちゃんとしないとな…」「はなへ〜!」「い・だ・ね!」

頬を抓りながら引っ張った跡で離す

「あいた〜……」


アカネから状況の説明を受ける

「何だって!ハルカが連れて行かれた!」「はい…」「お前がここで寝てる間にさ…」

ミツキにハルカ…次は誰だ?

アカネとアユを交互に見る

「あに見てんのさ…?」「いや…次にさらわれるとしたら、どっちかと…」「それは…私に決まってるさ!」

「断じて、それはない!」「あんですと〜!」『そうやな〜。あいつ、ワイと同じく面食いやからな!』

アユはイーグルを睨み付ける

「とりあえず、これからどうするかだ…」「そんなの簡単さ…」「どうするんですか…?」

「ここをぶっと…」

ゴン!

「あいた〜!あにすんじゃ〜!今、グーで殴ったろ〜!」「どあほ!ここを破壊したら、元もこも無いだろうが〜!」

「あ!あれは、この家に取り付いている怨霊ですね!」

多分…そうだろう。だとしたら、何のためにミツキとハルカをさらったかだな

君のぞQUEST〜第三拾二章〜


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