君のぞQUEST〜第二拾八章〜
「ねぇ…何をやってるの?」「知れたこと、俺はここを出て行く」「え!?出て行くって…どうして…」

荷物を持ち上げ、みつきの方を向く

「俺は、誰の指図も受けない!それが俺の心情だ。だが、ここはどうだ?あいつに支配されて…」

「それは…そうだけど…。でも!」「俺は決めたんだ。出て行くってな…」

荷物を持って出口に向かう

みつきが走って来て、俺の前に立ちはだかる

「どけよ…」「嫌!」「知ってるだろ。ここに居れば、あゆの二の前に…」「知ってる。だから私も…」

みつきは一瞬何かをためらう

「私も一緒に行く!」「え!?」「良いでしょ?」

それを聞いてフッと笑う

「仕方が無いな…」

パンパン…

「はいはい。そこまでですよ」「ミキ!」「もー駄目ですよ。勝手な行動はご法度ですよ」

ミキはニヤリと笑う

「どうしても行くというんでしたら…」「力尽くで通ってみせる!」

剣を抜き、ミキに向ける

「おっと…そんなに慌てないで下さい。誰も私がやるなんて言ってないでしょ?」

ぐ!体が…動かない

「また反逆者か?」「そうなんですよ。困ってものです…」

みつきが男に飛び掛ろうとすると、みつきの体にムチが巻きつく

「あなたの相手は私よ」「くっ…」「さ、どうしますか?今ならまだ許してあげますけど…」

ミキは不適に笑う

窓を突き破りマントの男が入って来る。そしてみつきに絡まったムチを切る

「あ〜私のムチをー」

続けて男を蹴り飛ばす。すると呪縛から開放されて動けるようになる

「逃げるぞ!」「え!?」

突然のことでその場から動けなかった

「何をしてる、行くぞ!」

突き破って入って来た窓から外に出る

「逃がしたか…」「誰ですか…あれ?」「ムカつくわね〜。私のムチを…次にあった時はこの礼はさせたもらわ…」


暫く走った後、立ち止まる

「誰だ…あんた?」「俺だよ…」

おもむろにマントを外す

『タカユキ!』「でも、どうしてここが?」「それはな〜カスミって子が教えてくれたんだ」

「カスミ?」「知ってる?」「知らん!」「だろうな…俺も会った事はない!」「え!?」

目をぱちくりさせる

「お前らがピンチだって聞いてな。ハルカに頼んでここに来たって訳だ」

ハルカが物陰から姿を現す

「これでお前たちは自由だ。好きにしな」「どうして…」「敵になるかも知れないのよ…」

タカユキはフッと笑う

「そん時は、俺がお前らを切るだけだ。じゃあな!」

タカユキはハルカと一緒に消える

「まったく、可笑しな奴だぜ…」「本当…これかどうするの?」「さあな、追われる者に居場所なんてないさ…」

「そうね…」

ゆっくりと歩きだす

「じっとしてても仕方がない。とりあえず歩こうぜ」「そうね…」

みつきと一緒にあてもなく歩き始める

第二拾九章に続く


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