君のぞQUEST〜第二拾六章〜
「何が悲しくて、追いかけらないと行けないんですか〜!」「俺が知るかー!」

「さっきみたいに、スッパと出来ないんですか〜?」「鉄球は無理だ〜!」

後ろから追いかけて来る鉄球を必死に走って逃げる

「よし!あの角で二手に分かれよう!」「そうですね。私は左に」「よし!俺は右だ」

角に来て、二手に分かれる。鉄球は壁にぶつかり止まる

『大丈夫ですか?』「こっちは大丈夫だ」

そういった瞬間、鉄球がぐらっと動く

え!?まさか…

ゆっくりとこっちに向かって転がり始める

「やっぱり〜!」

全力疾走で鉄球から逃げる。アカネは冷静にコインと一枚立てて置く。コインはこっちに向かって転がる

「そっちに傾いてたんですね…なむー!」「ウギャー!」


「今度やったら、本気で殺すわよ…良い?」「う、うん…」

ハルカは怯えた顔で頷く。そして、杖を上げて呪文を唱え始める。杖の先にエネルギーの塊が出来始める

杖を一気に振り下ろすと同時に、杖にたまったエネルギーがドア目掛けて飛んで行く

そのエネルギーの塊は、弾かれてアユに飛んで行く

「うがああぁぁぁ…」

プスプス…コテ

「あ、アユさん…大丈夫ですか?」

アユは跳ね起きて小刻みに震える

「ぶっ殺す、絶対に…ぶっ殺す!」「駄目です…それはだけわ…」

マユは必死にアユを止める

「離させ〜!ぶっ殺す!絶対にぶっ殺す!」

ハルカは、その光景は実に素早い動きで、物陰に隠れながら伺う


ゲッ!マジかよ…行き止まり

後ろを振り返ると、容赦なく鉄球が転がって来ている

まさに、万事休すってか

覚悟を決めて目を閉じる

ドコン!


「それで…このドアはどんな攻撃も跳ね返すってそう言いたいの?」「う、うん…たぶん」

アユは銃をドアに向けて構えて引き金を引く。すると、銃弾はドアにあたる寸前で止まる

「そうみたいね…」

銃弾がアユの顔を掠める

「アユさん…」「大丈夫…」「うがあああぁぁぁ…!よくも、私の顔に傷を…許さん!」

『あははは…馬鹿は見ていると楽しいな〜』「あん?あんた誰さ」『気が付かないとは、本当の馬鹿だな!』

「うがあああぁぁぁ…隠れてないで出てこいや!」『それは無理な相談だね』

「あんですと?」「あの…アユさん。誰と話してるんですか?」「うん…私も気になってた」

アユは二人の顔を見たあと、ドアの方を見る。そして、ゆっくりとドアを手で押してみる

第二拾七章に続く


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