君のぞQUEST〜第二拾五章〜
畜生!どこまで逃げれば良いんだよ…。こうなったら

「アカネ!ミツキを頼む」「え!?あ、はい」

ミツキをアカネに渡し、その場に立ち止まる。静かにその場に構えて、ゆっくり剣をあげる

「デヤー!」

叫ぶのと同時に剣を振り下ろす。すると、大岩は真っ二つになって左右の壁に突っ込む

「さすがですね」「ま、まあな…」

実際の所、うまく良くか心配けど

「ここ何処でしょうか?」「さあな、我武者羅に走ったからな…」

見渡す限り岩、イワ、いわしかない

「仕方がない、少しその辺を歩いてみよう…」「そうですね…」


「コラー!勝手な行動をとるなや!」「うわ〜。入り口以外は真っ暗ですね〜」「マユマユ。灯り…」

「持って来てません…」「あんですと〜!」「あ、それなら心配要らないよ」

遙はにっこりと笑い、杖を上に掲げる。すると辺りが明るくなる

「す、すごいで御座る…」「これで安心して行けるさ!」

しばらく歩いた後、分かれ道に行き当たる

「どっちでしょう…」「右さ!」「私は左だと思うけど…」「どうしてさ?」「だって…地図に…」

「あんですと〜!あるんなら、さっさとださんかい!」「ご、御免なさい…」


「あ、あそこに扉がありますよ」「そうだな…」

アカネは走って扉の所に行く

「何をやってるんですか?早く来てください!」

あのな〜。こっちはミツキを抱えてるんだぞ…それくらい考えてくれよ

何とか、扉の所に行き着く

「どうだ。開きそうか?」「それが…鍵穴らしきものがないんです…」

鍵穴がない…?

「あるのは、この小さな穴くらいです」「それがそうじゃないのか?」「こんな小さな鍵なんてありませんよ!」

それもそうか…

アカネは辺りをくまなく探し始める。ミツキをそっと降ろして座り、壁にもたれかった時に頭で何かを押す



「それで…ここがそうなんですか?」「そうみたい…」「さ、鍵をだすさ」「持ってませんよ」

しばらく沈黙が続く

「今…なんて言ったさ?」「だから…持ってないって…」「あんですと〜!なら、どうやって入るのさ!」

アユは何か思いついたように手をうつ

「ハルカ…ぶっ飛ばしなさい!」「本当に…良いの?」「思いっきりやるさ!」「それじゃ…」

ハルカはグッと杖を握り締める。そして、ありったけの力でアユの後頭部殴る

「えーい!」

バコーン!

「ぐぉ〜!」

アユはドアまで飛んで行き、へばり付いてズリズリと落ちる

「あにすんじゃ!ボケ!」「え…だって…やって良いって…」「一回死んどく?」

アユはハルカの顔に銃を突きつける

第二拾六章に続く


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