君のぞQUEST〜第拾三章〜
「く…」「どうしたら良いの…?」

体の半分くらいまで、雪で埋まってしまう

「私…もう駄目…」「寝るな!寝たら死ぬぞ!」

ミツキは体の力が抜け、ぐったりとする

畜生…このじゃぁ、ミツキの所まで行けない…。どうする…

「人間…なんて…。絶対に!許さない!」


「私の後ろに立たない方が、貴方のためですよ」「気が付いてたのか…」

「次に、私の後ろに立った時は、命はありませんよ。それより、手に持っている武器をしまって下さい」

「見ないで良く判ったな…」「私を敵にまわしたいんですか?」

そっと武器をしまい、両手をあげながら横まで歩いて行く

「これまで…だな…」「ふふふ…それはどうでしょうね?」「何!?」「ふふふ…楽しみですね。どうするか…」


手はかろうじて動くな…。これなら何とかなるかもしれない!

かじかむ手で必死に剣を掴んで横に振り切る。吹雪を切り裂くことに成功する

そして、ミツキの所に走って行き、頬を叩く

「おい…しっかりしろ…」

パンパン…

「起きろ!死ぬぞ!」

パーン!パーン! ボコン!

「痛いじゃない!あれ…?」

ズボ!

「俺は…ミツキを助けようとしただけなのに…。しくしく…」「同じ手は二度と通じないわよ!」

ミツキさん…俺には、何も無いんですか?

「死ねー!」

再度、吹雪を巻き起こす

「だから、同じ手は…え!?違う…」

さっきまでの吹雪とは違い、今度は吹雪の中に氷の槍が混ざっていた

「お願い!」「え!?誰…?」

突然、目の前に小型の雪だるまが現れて攻撃を防ぐ

「な、何の…?」「間に合いましたねか…?」

声がした方を見ると、ショートカットの赤毛の女の子が立っていた

「ミキは、雪お姉いさんにこちらに行くように言われて、ここまで来たんです」

雪さんから?

「でも…何で?」「今は、お話をしてる時ではありませんよ」

ミキはすっと、雪女を指差す

「そうだな…」「そうね…可愛そうだけど、倒すしかないみたいね…」「防御はミキに任せて下さい!」

『了解!』


「何だ…変な奴が出て来たぞ?」

ふっと不適に笑う

「そうですね。結果はすでにみえましたね」「そうだな…」

「私は、これで失礼します。いろいろと準備がありますから…」「お、おい…待て!あいつはお前の…」

「余計な詮索は、寿命を縮めますよ!」

冷ややかな目でじっと見る。

「それでは、私は失礼します」「あ、ああ…」


「これでも食らいえ〜!連続火炎切り!」

雪女に切りかかるが、剣が雪女に触れた瞬間に炎が凍り付く

「な、何〜!」「死ねー!」

頭を掴まれて、そのまま投げ飛ばされる

「うが…」「大丈夫…?」「畜生…。奴には、炎もきかない…」「でも、素手でやったら…」

「こうなったら、目には目をです!」「え!?」

ユキはすっと剣に手をかざす。すると剣の形が変化し始める

「これで大丈夫です。サンダーブレイドです。これなら、確実にダメージを与えれます」

「よし!行くか!」「あ、待って下さい。ミツキさんにはこれを」

ミキは一つのグローブをミツキに差しだす

「これには、雷の属性があります。これだと、効率よく攻撃できるはずです」

「来ますよ!」「人間は…皆殺しよー!」

左右に跳んで攻撃をかわした後で、一気に雪女に向けて走りだす

「ミツキ、準備は良いか?」「いつでもOKよ!」「よし!行くぞ…」

雪女に向けて突っ込んで行く

『そうですよ。彼女を倒して下さい…そうすれば、マナマナ様の野望に一つ近づきますからね…ふふふ…』

第拾四章に続く


戻る