君のぞQUEST〜第拾四章〜
「ミツキ!」「OK!」

同時に飛び上がり、そして同時に降下し始める

「くらぇ〜!」

まず最初に素早く雪女を切り裂き、ミツキの方に蹴り飛ばす。

そして、ミツキは腰を深く落とし、自分の体重をのせるながら、そのまま前に拳を突きだす

それをまともに食らった、雪女は壁めがけて飛んで行く

「す、すごい…」「片付いたな…」「そうね。でも、本当にこれでと良かったのかしら…」

これで本当に良かったんだろうか…。雪女を殺して…

「やりましたね!」

ミキが飛びついて来る

「どわ〜!」「凄いですね…ミキは、あなたに惚れちゃいました!」「え!?」「は、はい…」

ミキは頬にキスをしてくる

「これは、ミキの気持ちです…」

ゆっくりとミツキの方を見る。ミツキはにこにこと笑いながらこっちを見ていた

怖いよ〜。ミツキさんが笑ってるよ〜


「ここです。お二人に見せたい物がある場所は…それより、大丈夫ですか?」「な、慣れてるから…」

棒を杖代わりして歩るく

ミツキの奴…何もここまでしなくても…。第一、俺は無関係だろ

「見た所、鍵穴のもないみたいね…」「はい。ですが、あそこに窪みがありますよね」

ミキが指差した先には確かに窪みがあった

「あの窪みに、その剣を嵌め込むんです」「これをか?」「はい…」「嫌だ!これは、俺にとって大切な…」

ビシャァァァ…

「ウギャー!」

プスプス…

「馬鹿をいってないで、さっさと嵌めなさい!」「は、はい…」

剣を窪みにはめ込むと、ゆっくりとドアが横に動きだす

「あ〜!俺の剣が〜」「もう一回…くらいたい?」「ごめんなさい…」『本当に、この人達が…』

ドアが完全に開いたのを確認した後で中に入る

「真っ暗で何も見えないぞ…」「少し待って下さい…」

ミキは一つのブロックを押し込む。すると、部屋の中に一気に明かりがつく

「おお〜!」「凄い仕掛けね…」「こっちです」

ミキの跡をついて歩いて行くと、床に刺さった剣が二本あった

「何…これ?」「伝説の聖剣の『マテリア』と『マティーニ』です」

『ねぇ…伝説の剣が、こんな簡単に見つかって良いの?』『俺が知るか…』

「何を話してるんですか?」「あ、何でもない…な〜」「う、うん…」

「本物なのか?」「はい。どちらも本物ですよ」「こんなのだったら、誰でも…」

ミキは黙って首を横に振る

「この剣は持ち主を自分で選ぶんです」「剣が…?」「はい…この剣には意思があるんです」「剣に意思が…」

突き刺さった剣をジーと見るが、どうもそんな風には見ない

「それでは、始めましょう…。剣に手を翳して下さい」「こう…?」

しばらくして剣が輝き始め、ゆっくりと床から抜けて俺達の元にやって来る

「どうやら、お二人は剣の持ち主として、選ばれたみたいですね。さ、手に取って下さい」

剣を持って見ると、外見とは違い凄く軽かった

「突然ですが!ここでミキちゃんの聖剣の説明の時間がやってきました!」「誰も頼んで無いけど…」

「やりたいでしょ…やらしてあげなさい…」「判った…」

「最初はマテリアです。マテリアはすべての属性攻撃ができます。使える属性は、持ち主のレベルに左右されます

マテリアは使用属性によって、形状が変化し、能力をフルにいかせる形に変化します。使用者の能力と体力も必要なんです!」

「凄いな〜。このマテリアって…」

マテリアをジーと眺める

『どうだ!見直したか。このヘッポコ!』

え!?え!?今の声は誰…?

「次に、マティーニです。素早い行動が可能なります。その代わり、攻撃力はかなり落ちますがミツキさんの攻撃の

コンボに組み込みやすいと思いますよ。こちらはマテリアのように、属性を変化させることはできません」

「そうなの…」

ミツキはつまんないっといった顔をする

「属性変化はできませんが、独特のスピードがうみだす真空はで敵を攻撃できます。

今装備しているグローブと組み合わせで、その属性をまとった真空は飛ばすことが可能です」

「なんだか、俺のよりミツキの方が良いって感じがするが…」「僻まない…僻まない…」

『そうだ!お前は、俺の凄さが判ってないんだよ!』

え!?また…誰だ?

「マテリアは攻撃重視、マティーニは行動重視なんです」「よし!マナマナを探しにいくぞ!」

そういってそこから出て行く

『そうです。そうやって、マナマナ様の手の上で踊りなさい…』

「お〜い!ミキ〜おいて行くぞ〜!」「あ〜待って下さい!」

第拾五章に続く


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