君のぞQUEST〜第拾章〜
山を上り初めて、しばらくして氷の塊が転がっていることに気が付く

その氷は、今までこの山に登って来た人々だった

「むごいことするわね…」「でも…皆、幸せそうな顔をしてるぞ…」「本当…何でかしら?」

「とりあえず、行ってみれば判るはずだ…」「そうね!行きましょ!」

城に近づくつれて、吹雪が巻き起こって目の前も見なくなる

「畜生!前が見えない…」「城が近いって、証拠よね〜?」「そうだと信じたいが…」

必死に吹雪の中を歩いて、やっとの思いで城にたどり着く

「何とか…着いたな…」

ミツキは自分の頬を叩いて気合を入れる

「しかし…何処から入るんだ?」「そうね…入り口が無いわね…」

そんな会話をしていると、目の前の壁が左右に開く

「入って…来いって言ってるのかしら?」「そうらしいな…」

開いた場所から城の中に入る。そして、当然のごとく敵さんのお出迎えがあった

「お決まりだな〜!」

敵を一掃する

「ふ〜…片付いたか…」「先を急ぎましょ!」

ミツキはそう言って走りだす。そして、敵を倒しながら進んで行くと、大聖堂に出る

「ふふふ…良く来ましたね…」「ここが、終点みたいだな…」「そうみたいね…」

ミツキと背中合わせに立って、辺りを警戒する

「さすがですね…」「いい加減。姿をあらわしたらどうだ?」

吹雪が巻き起こり、目の前に緑の髪の女が現れる

「噂通り、お強いんですね」

そう言ってクスクスと笑う

「お前か!こんな事をしたのは!」「半分ハズレで、半分当りです」「え!?半分…?」

訳がわからず、困惑の表情を浮かべる

「これをしたのは、私ではありませんよ。したのは…私の部下ですから…」「何!部下だと…」

「出てらっしゃい!スノー!」

そう叫ぶと、さっきよりもひどい吹雪が巻き起こる、目の前に白い着物の女が現れる

「マナマナ様。今度の獲物は、こいつらですか?」「そうですよ。可愛がってあげて下さいね」

そう言って不適に笑う

「殺しても、良いんですよね?」「好きにして良いですよ。私はこれで…」「待て…」

そう叫んで駆け寄ろうとした時、目の前にスノーが立ちはだかる

「マナマナ様に近づけさせませんよ…。それより、始めましょう…」

スノーは大きく息を吸い、一気に吐きだす。とっさに横に飛んでそれを避ける

「せっかく、私のコレクションに加えてあげようと…」「何処を見てるの!」

ミツキがスノーの後ろから、回し蹴りを繰りだすが、スノーは一瞬でその場から消えてなくなる

「え!?」「うわ〜!あぶね〜!」

危うく、ミツキの蹴りを食らう寸前でかわす

「殺す来か〜!」「ごめん。でも…何処に行ったの?」「何処を見てるんですか?」『え!?』

スノーの冷凍ガスが飛んでくる。とっさにミツキを突き飛ばし、自分も横に飛ぶが、足を固められる

「く…」「良く避けましたね。でも…」

ピキピキ…

「な、何…!」「私の息を食らった者は、それが何処であれ、氷付けになるんですよ…」

慌ててブーツを脱いで、放り投げる。床に落ちたブーツは粉々に砕け散る

「ふ〜、危なかった〜」「今までのようには、いかないって事ね…」

ミツキは拳をグッと握り締める。そして、炎が燃え上がる

「ミツキ、頼む!」「判ったわ!」

ミツキが俺の剣を触ると、剣に炎が宿る

「いくぞ!」「さ〜、今度はかわせるかしら?」「ふふふ…少しは、歯ごたえがありそうですね」

第拾一章に続く


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