「お兄ちゃん…起きて〜。朝だよ…」「うーん…あと、五分だけ…」

そういって布団に潜る

「駄目だよ!さっきもそういったじゃない!起きて!」

バサ!

布団を剥ぎ取られ、小さく丸くなる

「早くしないと遅刻だよ!」「解ったよ…」

しぶしぶ起きて準備をする


「水月先輩。おはよう御座います」「茜。おはよう…」「う〜す…ふぁ〜」

「朝から、だらしがないわね〜」「仕方ねーだろ。昨日は、いろいろと急がしかたんだから…」

「ゲームがだよね」「うるせぇ!」『水月…せ〜ん〜ぱ〜い〜!』

ドドドド……

毎朝の事ながら、元気だなー

元気よく走って来て、水月に抱きつく

「水月先輩。おはよう御座います」「お、おはよう…」「早く行かないと、遅刻ですよ!」

「そうだな…」

学校に向かって歩き始める


「それでは、私はこっちなので…」「茜。頑張ってね」「寝るなよ〜!」「お兄ちゃんじゃないから寝ない!」

「さ、水月先輩。行きましょう」「そうね…」

毎朝見てるが…女が女に引っ付くなよなー


「水月先輩。また部活でお会いしましょう」「はいはい…」「失礼します」

部活でって、昼にも来るだろうがー。絶対

「そうだ!今日の宿題やってきた?」「え!?宿題…なんだそれ?」

水月は呆れ顔でこっちをみる

「本気で言ってるの?」

コクコク

水月はそれをみて、ため息をつく

「昨日の香月先生が言ってたじゃない…」

水月は鞄から教科書を取りだす

「ここから…ここまでをレポート用紙五枚に纏めて来いって…」

なんだよそのページ数は…三十ページってよー。それに五枚だとー!

「何ー!」

そばにしばらく呆然と立ち尽くす

「水月…頼みがある」「無理よ!」

水月の即効の返しに驚く

「俺…まだ何も…」「丸写しするつもりでしょうけど、そんなの香月先生にすぐにばれるわよ」

うが!

「それに、一時間目だからどっちにしろ無理ね!」

ガーン!


「お兄ちゃん…何をやってるの?」「宿題だよ!宿題!」「へ〜」

茜はトコトコと部屋に入って来きて、覗き込んで驚く

「これって…本当に宿題なの?」「あ〜そうだよ!」

あの先生、絶対に鬼だ〜。五十枚もあるプリントを一問も間違えずに、明日の朝まで提出しろだー!

普通は無理だぜ!絶対に

「ご飯は…?」「食べてる暇なんてない!」「そ、そうだね…」

茜はそっと部屋から出て行く時にポツリと一言

『お兄ちゃん。頑張ってね』

畜生!出来るかーこんなの〜!香月の馬鹿やろ〜!

ーENDー



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