秘密の花園 第五章

「うわー。凄いね〜」「あんまり騒ぐな…子供じゃあるまいし…」

呆れ顔ではしゃいでいる瑞希を眺める

「私…シャワー浴びてくるね〜」「勝手にしろ…」

ベットの真ん中に胡坐をかいて座る

さて、これからどうしたのもんかなー。ま、なるようになるかな

溜息をついて、ベットにスイッチが付いていることに気が付く

何だ?これ…?

試しに一つ押してみる。すると、ベットが回転を始める

「な、何だ…」

慌てて同じスイッチを押すと、ベットは何事も無かったように泊まる

「あー驚いた…これはどうなるんだ?」

隣のスイッチ押してみる。今度は、部屋の照明が怪しげに変化する

これって…非常にまずいよな…。今の瑞希だったら…絶対に

パサ…

そうそう…パサってバスタオルを落とす音がして、後ろから、ふわっと抱きつかれ、耳元で囁かれて

「忍…」「どわ〜!」「やっぱり…そのつもりだったんだ〜」

瑞希は、色っぽい声を出しながら体を引っ付けてくる。慌てて振りほどくいて、距離をとる

「やっぱり…まずいだろ。その体は、美穂のだし…」「忍は、私とは嫌なの〜?」

瑞希はそう言いながらこっちに迫ってくる

「だ、だから…そうじゃなくって、俺は純粋に…」「やりたい」「ちが〜う!」

そう叫んだ時、ドアが凄い音とともに中に飛んで来る。

次第に煙が晴れて、立っている人影うっすらっと見える。そこには、腰が抜けて動けない店員と仁王立ちの徹が居

「と、徹!」「や〜と見つけた〜!」

徹の目がキランと光る

「忍ちゃん…覚悟は出来てる〜?」「な、何のことでしょうか?」

徹は不適に笑いながら、指をボキボキと鳴らす

「ゴメンね。お楽しみを始める時に来ちゃって〜」「ば、馬鹿だなー。何を証拠に…」

徹は、裸の瑞希を指差しながら不適に笑う

「あ…」「反論…出来る〜?」

瑞希はふぅっと溜息をつく

「仕方が無いわね…。そうよ…予想通り」

火に油を注ぐな〜!

「大丈夫だよ。痛いのは一瞬だから…」

そう言って、徹はニッコリと笑う。次の瞬間、徹は飛び掛って来る

「徹!」

そう叫んで、上着の内ポケットから猫じゃらしを取り出す。徹もそれに気が付き、ピタッと動きが止まる

ゆっくりと振ると徹はピクンと反応し、耳と尻尾をだしてジーと猫じゃらし見つめる。

しばらくして、飛びついてくるがそれをうまくかわす

「ほれほれ…こっちだぞ〜」「うにゃ〜!」

そう叫び飛びついてくるが、寸前のところでそれをかわす

「瑞希!早く服を着ろ!」「え〜。お楽しみわ〜」「後で好きなだけしてやるから…今は言うことを聞け!」

瑞希はにこっと笑って服を着始める

「よーし。良い子だ…。次はこれだぞ〜」

ボールを徹の前で動かすし、後ろに放り投げる。すると、予想通り徹はそのボールを追いかけて行く

その隙に瑞希と一緒に部屋からでて、エレベータに乗り込んむ


『美穂〜?美穂ちゃ〜ん?美穂様〜?』「しばらく、そこでおとなしくしてなさい!」『はい…』

ホテルを出た後、その足で瑞希の家へと向かい。今度は、瑞希が瓶詰めにされている

「質問は一つ!したの?してないの?どっち!」「直球だなー。こんな時は…」

美穂をバンと机を叩く

「良いから、答えて!」『ホテルまで行ったよ』「だ〜!お前は少し黙ってろ…」

美穂の後ろで何かが燃え上がる

「何ですって…ホテルですって…」

『美穂の体から嫌だって言ったのに…無理やり…』

瑞希はシクシクと泣きまねをする

「この子悪魔がー!」「無理やりねー」「これには、宇宙より広い訳があってだな…」

美穂はニッコリと笑う

「忍君…親へのお別れは、当然すんでるわよね?あ、遺書も書いてあるはよね?当然!」

「少し…落ち着きましょう…ね?。美穂様…話せば解る…話せば…」

『忍〜。楽しく暮そう。あの世で〜』「お前はー俺を意地でも殺す気かー!」「漫才はそれくらいで良いわね…」

「ひぇ〜。お助け〜!」


「あいてて…」

体の節々がズキズキする

「ただいまーって、親父が居るなて珍しいな…」「まぁ、話があるからそこに座れ」

言われたとおり、親父の向かい側の椅子に座る

「それを外しても良いぞ…」「え!?何だよ、いきなり…これだけは絶対にかけとけって…」

「忍…お前には話してなかったが…。母さんが死んだのは…事故なんかじゃない…」「え!?」

「すまなかった…だが、幼かったお前には、あまりにもショックが大き過ぎる出来事があったんだ…」

親父はゆっくりと立ち上がり、俺に背を向けながら窓の外を眺め始める

「母さんが死んだのは、他でもない…お前だ。忍…」「え!?」

お、俺が…なんで母さんを殺すんだよ…なんでだよ

「お前は知らないだろうが、お前の目には秘密がある。数人を一瞬にして簡単に殺せるくらいの…」

「お、親父…冗談はよしてくれよ…」「お前の目は普通ではない、魔眼っと言っても良い。特殊な物だ」

俺の目が…魔眼だって

「でも、俺の目と母さんの死が…」「お前は、ある事件に巻き込まれ、その時にお前の目の力が暴走し…」

「母さんを殺した…」

親父は黙って頷く。ダンと机を叩く

「だから、俺にこれを渡したのかよ…。それで、今までずっと…」「そうだ…。お前には悪いと思ってる…」

立ち上がって、親父の襟を掴んでにらみ付ける

「やれば良い…母さんを殺した時のように…。それで、お前の気が済むのなら」

親父は一瞬たりとも、目をそらさずにこっちをじっと見る

「く…」

あらぽく手を離し、そのまま家の外へと出て行く


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