秘密の花園 第参章

『ねぇ…』『どうしたの?』

猫耳の女の子の方を向く

『僕ね…忍ちゃんのこと……好き』『うん!僕もだよ』

そういって笑顔を返す

『本当…?』『うん!大好きだよ』『そうなんだ〜』『みんな大好きだよ…』

その発言は質問した当事者には届いていない


ジリリリ……カチ!


何時ものように目覚ましを止めて力尽き、蹴落とされて急所攻撃をくらう

「〇$#&…」

そして、何時ものように学校に向かって走る。違いといえば、瑞希が一緒だというところだろうか


チャイムの音で目を覚ます

ん…?もう、昼か?

「おはよう…」

委員長が引きつった笑顔で見下ろす

「おはよう…どうした?」「どうしたじゃないわよ!いったい、何時間寝るつもりなの〜」

耳をふさいでいても、キーンと響く

「悪かった…」「まったく…それで、考えてきた?」「何を?」

キョトンと委員長を見る。それを見た委員長は、眉をヒクヒクとさて、俺の耳を摘み

「昨日言ったでしょう!部活を何にするか考えてきてって!」

そう、大声で叫ぶ。耳はキーンとし、頭はガンガンする

「思い出した?」「は…い…」

ポテッと机に倒れる

「で、何にするの?」

襟を掴んで、顔を持ち上げながら自分の方に向ける

「帰宅部…なんてね…。あははは…」「一回…死ぬ?」「委員長さん…目がマジですけど…」「マジよ!」

『え、忍が死ぬの?嬉しい!これでずっと一緒だ〜』「そこ〜勝手なこと言わない!」

瑞希に向かって叫ぶ

「何をしてるの?」「え、あ、何でもないよ…あははは…」

委員長は、見るからに怪しい〜といった目でじっとこっちを見る

「さて、お昼は何にしようかなー」

そういって立ち上がるが、手をしっかりと掴まれ、徐々に強く握られる

「実際のとこ、考えて何のよね?」「はい…すみません」

委員長に向かってペコリと頭を下げる。それを見て委員長は溜息をつく

「今日中に考えてね。じゃないと、私の責任問題になるからね」

委員長は笑顔で言うが、その裏には『決めないと、殺すわよ』と言っている感じがする


委員長から開放され、屋上へとあがって来て、適当な場所に座る

「うーん…天気も良いし。最高だな」『そうだね。あ、そうだ…これ』

瑞希は、包みを取りだす

「瑞希さん…」『言っとくけど、何処からだした、幽霊のお前が…って質問をしたら、連れて行くよ』

「すみませんでした…」『解ればよし』

瑞希は楽しそうにシートを広げ、その上に弁当箱をと水筒を置く

『はい。これが忍のね』「あ、有難う…。これって…」『連れてくよ』

瑞希は笑顔で言う

「謹んで食べさせて貰います…」『どうぞ…』

蓋を開けると、中身は定番の品ばかりがある

ふーん。普通だな〜

チョンチョン…

「ん…?どうした」『はい。あーん!』「な、何を…」

座ったまま、数メートル後ろにさがる

『どうして逃げるかな〜?』「な、何を考えてんだ…自分で食べれるって…」『私がしたいの』

「断る!視線が気になるし…」『誰も居ないよ…』

二人の間を風が吹き抜ける

あ、ここって屋上だっけか…。それに瑞希は幽霊だから…だ〜!どうすれば良いんだ〜

『そうなんだ…。私が作った物は、食べれないんだ…。私は…幽霊だし…』

瑞希は泣き始める

「わ〜解った…食べるから…」『本当に?』

一転し、瑞希は目を輝かせる

「嘘泣きかよ…」『しっかり聞いたよ。食べるって』「解ったよ」『はい。あーん!』「あーん…」


「や〜じ〜ま〜く〜ん〜」

地響きをたてながらこっちに近づいて来る

「当然、決めてるわよね〜?午後の授業を全部サボったんだから…」『駄目だよ。ちゃんと受けないと…』

「誰のせいだ!誰の!」

瑞希に向かって叫ぶ。委員長は両手でしっかりと、顔を持って自分の方を向かせる

「さ、答えてもらいましょうか〜」「あの…痛いんですけど…」「で?どれにするの?」

委員長は笑顔で問いかけてくる。こんな時の笑顔ほど、恐ろしい物は無い

『死んで楽になったら?』「黙ってろ!」「何ですって…」

委員長は、キッと睨みをきかせる

「ち、違いますよ…美穂さんに言ったんじゃなくって、そこに居る幽霊の瑞希に言ったんですよ…」

「え?瑞希姉さん?」

委員長はパッと手を離す

「ねぇ。本当に居るの?」「確かに、ここに居るよ」

そういって、瑞希の居る所を指差す

「でも、普通は見えないみたいだけど…」「そうなんだ…」

委員長は残念そうな顔をする

『忍…ちょっと良い?』「ん?どうした?」『体…貸して』「断る!」『なら、連れてく』「解りました…」

委員長の方を叩く

「なんか、話したいことがあるんだって」「え!?私に…」

ウンと頷く

『忍、行くよ!』「了解!」

すぅっと体に瑞希が入って来る。そして、俺は…外に追いだされる

何でだよ…普通は、中に残るはずだろ?ま、紐は繋がってるから良いか

「美穂…」「瑞希…」

そういって、二人は抱きしめあった後、ゆっくりと離れる

「あのね…美穂に黙ってたことがあるんだ」「え!?何…?」

瑞希はテヘッと笑う

「美穂が大切にしてた人形…あれ、私が壊したの」「え!?」「それから、美穂の日記も勝手に読んでた」

「ええ…」

しばらく、瑞希の暴露話が続く。聞いている委員長は、次第に怒りを抑え切れなくなり始める

「これで、全部だよ」「ふーん…そうんなにね〜」

委員長はプルプルと小刻み震える

「忍、返すね」『え!?今…』

半ば強制的に体に戻さる

「覚悟は良い?」「え!?待って…俺はだよ。忍…」「問答無用!」『南無〜』

委員長の怒りが収まるまで、一方的にやれてボロ雑巾にようになって転がる

『忍〜生きてる〜。私としては、死んでた方が嬉しいんだけど…』

「勝手に…殺すな……。誰のせいだ!誰の…」『テヘッ!』「『テヘッ!』じゃね〜!」

瑞希は『だははは…』と笑って逃げだす。その後を必死に追いかける

「昔っから、だっけ…。あ!ちょっと…待ちなさい!まだ…部活の話が…」


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