秘密の花園 第弐章

『駄目!忍は私と…』『違うもん!忍ちゃんはボクと…』『痛い…離して〜』

猫耳の子が左腕を、犬耳の子が右腕を、それぞれ腕を力いっぱいに引張る

『忍君が痛がってるよ…』

それを見ながら、人間の女の子がオロオロとしている

『忍ちゃんが痛がってじゃない!』『そっちが離せばいいじゃない!』


ジリリリリ…


手探りで目覚ましを探して止める。そして、そのまま眠り世界へと落ちる

それからすぐに、横から脇腹に蹴りをくらって後頭部から床に落ちる

「ぐぉ!」

頭を抱え込む感じでもだえる。そして、ゆっくりと目を開けると、信じられない光景が目に入る

ベットから、股間に肘内があたる角度で人が降ってくる

「ぎゃあああぁぁぁ…」


「あらあら…転校初日に遅刻ですか〜」「すみません…」

言えるわけないよ…朝から、徹に股間を攻撃されてもだえてたなんて

「では、教室に行きましょうか…」「はい…」

阿藤先生の後をついて行っている最中、先生は何の変哲も無い場所で躓いて転びそうになる

助けようとして手を伸ばしすと、けもくじゃらな物を掴む

「キャッ!」

え!?『キャッ!』…?

見てみると、それは阿藤先生の尻尾だった

「あ、ごめんなさい…」

そう言って、あわてて離す

「随分と大胆なんですね…」「あの…これはですね…先生を助けようと…」「解ってますよ。有難う御座います」

先生はそういってにっこりと笑う

「尻尾はむやみに握らないで下さいね。感じちゃいますから…」

それだけ言うと、スタスタと教室に歩いて行く。顔を紅くし、その場にしばらく立ち尽くす


すべての授業を終了して、帰り支度をしている時、委員長がやって来る

「矢島君…ちょっと良い?」「あ、委員長…」

委員長は、そう呼ばれて困惑した顔をする

「委員長って…」「だって、委員長だろ?」「そうだけど…」

委員長は苦笑いを浮かべる

「で、何か用事?」「うん。えっと…この学校では全員が部に所属しなくちゃいけないの」

「へ〜」「それでね。これが部の一覧表」

そういって、一覧表を机の上におく

「明日までに決めて来て…」『忍ちゃ〜ん!』

徹は教室の入り口から俺目掛けて飛んでくる

「どわ〜!」

徹と一緒に椅子から転げ落ちる。徹に抑え困る形で床に寝そべる

「忍ちゃん…帰ろう」「あ、ああ…」

そういって頷くと、徹は嬉しそうに笑う。次の瞬間、徹は跳ね退いたと思ったら、画面に百科事典が降ってくる

「うが…」「あら〜。御免なさい…ちょっと、手が滑っちゃったわ…」

委員長は不適に笑う

「美穂…勝負よ!」「望むところよ…」

やっとの思いで起き上がる

「な、何だ?」『忍…教室の外に出てた方が良いよ』「え!?」

とりあえず言われた通り、教室の外へと移動する。そっと、教室の中を覗くと、二人の姿は何処にもなかった

あれ?何処に行ったんだ?

『外だね。ほら、窓が開いてる』

見てみると、窓が開いているというか、壊したといった方が正しい気もする

「忍さん…」「あ、蓮さん」「どうしたの?」

無言のまま、教室を指差す。それを見て、蓮さんは溜息をつく

「またなの…」「またってことは…」『そうだよ。これで何度目かな〜?数え切れないくらい…』

どこかで爆発音が聞こえる

「蓮さんも大変ですね…」「まあね…。そろそろ、止めないとね…」

そういって蓮さんは走って行く

『私達は帰ろう』「そうだな…」

ん…?さっきから、聞こえるこの声は何だ?

「あらあら…」「あ、阿藤先生」「しばらく、涼しい日が続きますね〜」

阿藤先生はニコニコと笑いながら言う。だが、その笑顔の裏に何やら燃え上がる物を感じる

「阿藤先生、さようなら」「はい、さようなら。瑞希さんもさようなら」

阿藤先生は肩の上に向かって言う。そこを見てみるが何も無い

「阿藤先生…何があるんですか?」「瑞希さんが居るんですよ。そこに」「ここに…」

肩の上を指差すと、阿藤先生は頷く

『久しぶりだね。忍』

さーと、顔から血の気が引く。横を振り向くと、委員長とうりふたつの子がニコニコと笑いなが手を振っている

それを確認すると同時に、その場に倒れる


目を開けると、目の前に委員長の顔があって驚く

『あ、酷いよ!私の顔を見て驚くなんて!』

委員長はプンプンと怒る

「何で、委員長が…」『あ、そっか…。私、覚えてないかな〜?瑞希って』

瑞希?

「こみっくパー…」

スパン!

「あだ!」『馬鹿なところは、全然変わってないね…でも、そこが良いんだけどね』

そういってウインクをしながら笑う

「委員長の姉さん?」『なんか、その言い方…極道みたいで嫌だけど…』

「でも、何で宙に浮いてるんだ?」『それはね…』

保健室のドアが開いて、蓮さんが入って来る

「気分はどう?」「はい。もう大丈夫です。でも、何で白衣なんて…」「私ね。保険も掛け持ってる」

「へー、大変ですね…」「そうなのよ…聞いてくれる」

そのあと一時間程、愚痴を聞かされる

「僕そろそろ帰ります…」「え、もう…まだ…」「さようなら…」

足早に保健室を後にする

『忍も大変だねー』「同情してくれるんだー。嬉しいなー」『ううん。馬鹿にしてる』

ズサーと廊下をすべる

『廊下の掃除?』「もう良い…じゃあね!」

膨れ面で下駄箱に向かう


「で、何でついて来てたんだ?」『だって、私…』「おい…まさか…それって…」

瑞希はニコニコと笑いながら頷く

『これから宜しくね』「はい…善処します…」

溜息をついて、その場でへたれこむ


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