電話
部屋でくつろいでいると、携帯が鳴り始める。携帯を手にとって見てると、公衆電話と表示されていた

誰だ…こんな時間に?

「はい、もしもし…どちら様ですか?」「……」「悪戯なら、止めてくれるか?」「……ご」

ん…?

「……ご、御免」

は、速瀬…?

「速瀬か?そうだよなー?」「……う、うん」

何でこんなに元気ないんだ?

「どうした?元気が無いようだけど…」「うん…ちょっとね…」「今何処に居るんだ?迎えに…」

「ううん。大丈夫だから…。ねぇ、これから出て来れる?」「今から?」「うん…」

時計を見る

こんな時間かーでも、速瀬をこのままほおってく訳にもいかないだろうし…

「何処に行けば良いんだ?」「えっとね…駅前に来てくれる…」「判った。駅前だな」「うん…待ってるから」

携帯を切って、部屋から出ようとして立ち止まる

やっぱり…着替えて行った方が良いよな…

今の自分の格好を見て、何気に納得する。そして着替えをして部屋から出る


駅前につき、辺りをゆっくりと見渡しながら速瀬を探す。すると、駅の壁に寄り掛かるような感じ居る速瀬が目に入る

そのときの速瀬は、物凄く悲しそうな顔をしていた。とりあえず、駆け寄って見る

「よ、よう…」

水月はゆっくりとこっちに顔を向ける

「ごめんね…こんな時間に呼び出して…」「いや…俺は別に構わないけどよう…」

やっぱり、いつも元気がない…。いったい何があったんだ?

「ねぇ…一緒に飲みに行かない…?」「今から?」「御免…無理なら良いんだ…」

速瀬はテヘッと笑う

「行こうぜ!」「え!?」「飲みたいんだろ?だったら、付き合うぜ!」

にかっと笑う


「おじさ〜ん!大もう一個!」「は、速瀬…飲み過ぎだぞ…」「あによ〜!文句でもあるの?ヒック!」

速瀬はとろんとした目でこっちを見る

「速瀬…」「何よ…?」「孝之と…何かあったのか…?」

それを聞いた速瀬は、ぴたっと飲むのを止めて、ジョッキをそっと置いて下を向く

「私は…ただ、孝之と一緒に痛かったの…でも…」「速瀬…話せよ。俺が全部…聞いてやるから」

速瀬は黙って頷く。そして、速瀬から話を聞いている内に、怒りが込み上げて来る

そして、店を出て孝之に電話をする

「孝之か…俺だ。今からすぐに駅前に来い!良いから黙って来い!」

駅前で孝之を殴り飛ばす

「てめー!速瀬を何だと思ってんだよ!」「う、うるせー!お前に俺の何が判る!」

「あー判んないさ。お前みたいな、腑抜けの考えてることなんてなー!判りたいとも思わないさ!」

「だったら、ほっといてくれよ…」「何〜!」

孝之の胸倉を掴んで持ち上げるが、そっと降ろして歩きだす。途中で振り返って孝之を見る

「今日、けじめをしっかりとつけろよ!」

一気に走って家に帰る


これで良かったのか?本当に…これで…

ーENDー



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