文化祭2
「お疲れ様〜」「だ〜!疲れた〜」「本当ね…」

二人でステージに腰掛ける。すると、一人の部員が走ってやって来る

「どうぞ…」

部員は、タオルと飲み物を差しだす

「ありがとう…」「ありがとうね…」

それを受けるって飲み始める

「すごいですね!」「え!?何が?」「私…お二人の演技を見ていて、感動しました!」

「別に…そんなだいそれたものじゃぁ…」「いいえ!お二人は素晴らしい物を持ってらっしゃいます!」

部員はそう真剣な顔でいう。俺と水月は顔を見合わせて笑う

「それでは、私はまだ仕事がありますんで…」

部員はそれだけ言って走って行く

「あ…まだ、居てくれたんですね…」「何か用事ですか?」「二人に大事な話があるんです!」

部長は真剣な顔で俺達の顔を見る

「話って…何なの?」「えっと…本番で、お二人にやって頂きたいことがあるんです!」

「俺達に?」「はい!そうです!」「何なの?そのしてほしいことって?」

「本番で、お二人にキスをして頂きたいのです!」「えー!」「何ー!」「えっと…ここでお願いします…」

部長はマイペースに話を進める

「真似ではなく、本当にして下さい…お願いします!」

水月と顔を見合わせて、お互いに顔を紅くする


そして、月日は流れて本番の日がやって来る。劇は順調に進み、ついにキスシーンになる

水月は、黙って目を閉じている。会場は物音一つしていなかった

そっと、水月の両肩を持って顔を近づけながら目を閉じる。そして、水月とキスをする

その瞬間、会場は一気に活気だつ。照明が落ちて、舞台袖に急ぎ足で戻る

「どう…良い考えでしょ?」「あのな〜。何も、ラップを使うことは無いだろ?」

「早くしてください!出番です!」「あ、はい!判りました…」

水月は忙しそうにでて行く。何だか、すごく存した感じで一杯だった


劇を終えて、水月と一緒に帰る

「終わったわね…」「そうだな…」

水月は何だか楽しそうに笑っている

「私ね…最初は、キスをしてくれって言われた時は、正直驚いたのよ…」「俺もそうさ。何で…」

水月はいきなりキスをして来た。もちろん、口と口でした。水月は紅い顔しながらクルクルと回る

そして、にっこりと笑う。そっと、自分の唇を触る

「皆の前じゃぁ…恥ずかしいでしょ?」「よし!帰りにアレを食べて帰るか〜!」

「あれ…?」「ドネルケバブだよ!」「あ〜!それなら。私、美味しいところ知ってるわよ」

「じゃぁ…そこに行くか〜!」「うん!」

水月は嬉しそうに頷く

「今日は…俺の奢りだ〜!」「良いの?」「頑張った、水月へのご褒美だ!」「嬉しい…」

水月は目を輝かせる

「言っとくが…少しな…」「ダーメ!お財布が空にならなるくらい食べるから!」

「おいおい…それは…」「行こう!」

水月はそう言って腕を引っ張る。ふっと笑い、水月と一緒に走りだす

ーENDー



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