「ところで、何を買うか決めてるか?」「うん! 大丈夫!」
みなもは元気良く頷く
「大丈夫です!」
真琴ちゃんは自信満々に言う
「当然だぜ! じゃないと来ないって…」
永遠は少し呆れた様子で言う
「私は…まだ…」「そうか。じゃあ、一緒に選ぶか?」「うん♪」「よし! 行くぞ!」
今日は、母の日にあげるプレゼントを子供達と一緒に、買いに来ている
さて、俺も何か選ばないとな…。その前に、恵ちゃんに涼宮あげる物を選んでやらないとな
何が良いか? まさか、この歳で絵本ってのもなー。子供じゃないんだしー
そんな事を考えながら、苦笑いを浮かべる
待てよ! 涼宮だったら、素直に喜ぶかも…いや、絶対に喜ぶだろうな
「何を考えてるの?」「え!? 何をあげたら、喜ぶか考えてたんだ」
そう言って笑う。恵ちゃんはそれを見て、首を傾げる
「どっちが良いですかねー?」「ん? 何がだ?」「絵本とカーネーションの花束…」
うぉ! 絵本って選択肢が残ってるのかよ! さすが、涼宮だ
「とりあえず、本屋に行ってみよう」「はい♪」
二人で本屋に行き、絵本売り場に行って眺める
「あ!」「どうした?」「これ、ママが欲しがっての」「そうなのか?」「うん♪」
恵ちゃんは元気良く頷く
「これにするか?」「うーん…カーネーションも見てみたい…」「よし! 行ってみよ!」
今度は花屋に行く
「これでいくら位ですか?」「そうですねー、三千円くらいです」「え!? こんな小さいので!」
「はい…」「どうだ?」
恵は財布を覗いて、首を横に振る
「お母さんに、プレゼント?」「うん…」
恵は力無く頷く
「そう、じゃぁ…」
そう言って、定員さんは何かゴソゴソし始める
何をやってんだ?
「今、どれ位持ってるの?」「二千円…」「そう。少し待ててね」「あの…何をしてるんですか?」
そう聞くと、定員さんはニッコリと笑う。そして、しばらくして花束を持って戻って来る
「はい…」「有難う♪」「あの…これ…」「二千円分ですよ」「へー、凄いなー」「うん♪」
恵ちゃんはお金を払う
「有難うございました」「有難うー♪」
恵ちゃんはお姉さんが見なくなるまで、手を振り続けた。集合場所に行くと、他の子供達は集まっていた
「遅い!」「何をやってたんだよ!」「時間は守って下さい!」「悪かった。よし、帰るぞ!」
これで良かったんだよな? 恵ちゃんも嬉しそうだし。あの人には、感謝しないとな
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