310,000HIT記念品
授業も終わり、机の上にへたれこみながら、水月の方を見てるみる。珍しく水月は眠っていた。

側まで行き、起そうとした時に水月がポツリと

「あー、そんな事された壊れちゃうー」

その寝言に驚いていると、後ろから孝之が首に手を回して、ぐいっと引き寄せる。

「お前、いったい何したんだ?」「ば、馬鹿かお前はー!俺は何もしてない!」「そうって事にしとくよ」

「お前!信じてないだろ!」「さーねー」

水月を起して涼宮の所に行くと、涼宮も眠いた。何かの偶然か、涼宮も水月と同じ寝言を言ってる。

「よー、孝之君!何をやったのかなー?」「俺は何も…」

孝之は顔を赤くする。どうやら、思い当たる事があるらしい。

「思い当たる事でもあるのか?」「あるか〜!」「もー、何やってるの? 遙を起さないの?」「そうだな」

涼宮を起して、4人で帰る。


ゆさゆさと体をゆすられ、目を覚ます。

「着いたわよ」「俺、寝てたか?」「はい!それはもー、ぐっすりと」「遙の運転で、寝るなんてすごいわね」

「水月〜、あんまりだよー」「いい、お姉ちゃん。お姉ちゃんの運転で寝れるのは、ここに居るお兄ちゃんくらだよ」

「えー」「そうね、相当な鈍感じゃないと、無理な芸当よね」「うー、二人ともひどいよ〜…これでも少しは…」

「ほら、行くぞ」「あ、待ってよー」「待ってください!」「少しは…少しは…」「ほら、お姉ちゃん行こう」

中に入いると、『クリスマスセール!』の垂れ幕が下がっている。

「プレゼントを選びましょう」「そうですね。ほら、何時まで拗ねてないで、行こう」「うん」

今日、俺が呼ばれた理由は単純明快である。荷物もちである。

「あー、これなんかいいかな〜?」「はー…絵本なんて貰って、喜ぶ子供なんて」「茜!絵本を…」

茜ちゃんはその後、しばらく涼宮の絵本説を聞かされ続けた。

「ねー、これなんかどうかな〜?」「どれどれ…いいんじゃないか?」「そう? 一つはこれで決定!」

今の水月は、すごく楽しそうだな。さて、俺も何か選ばないとな。


「あのー、千鶴さん」「ん? どうしたの?」

千鶴は、みなもと真琴の方を向いてしゃがみ込む。

「千鶴さんって、委員長やってたんですよね?」「そうよー。昔の話だけどね」「だったら、ハリセン持ってました?」

「ハリ…セン…?」「はい、ハリセンです」「ハリセンは、委員長の必須アイテムですから」

「ちょっと待って、誰から聞いたの?」「これに書いてありました」

二人は一冊の漫画本を千鶴の前に差し出す。千鶴はそれを受け取り、しばらく見てパタンと閉じる。

「ね、書いてあるでしょ」「だから、持いたのかな〜って」「あのね、委員長にはいろいろ人が居るのよ」

「…嘘つき」「何ですって〜!」「……」「誰が嘘つきですって〜!」

千鶴は慧ににじり寄って行く。

「何だか、険悪なムードになって来たね」「ここに居たら、危ないよね」

二人はウンウンと頷き、その場から立ち去る。



部屋でボーっと天井を眺めていると、ドアが開いて涼宮が入ってくる。

「どうした?」「孝之君、来てないかない?」「孝之? 来てないけど。どうかしたのか?」「ちょっとね…」

涼宮はいそいそと、部屋から出て行く。

「おーい、行ったぞー!」

ベットの影から、孝之が顔をだしてあたりを見回す。

「お前、無いかやったのか?」「俺は何もしてない!」「ほー!なら、何で隠れるんだ?」

「たいした事じゃないさ…」「もしかして、涼宮が楽しみに取って置いた、芋きんつばを食べたとか?」

孝之は驚いた顔をする。判りやすい奴だなー。

「お前、見てたのか?」「誰が見るか!俺は茜ちゃんみたいに、覗きなんてしないからな」

「私は、覗きなんてしませんよ!」「うわ〜!茜ちゃん、いったい何処から」「ドアからです!」

「それより、鳴海さん。お姉ちゃん、かなり怒ってましたよ。見つかるのも時間の問題ですね」

「茜ちゃん…ここに居る事は、内緒にしてくれないか?」「秘密にして欲しいんだって〜」

茜ちゃんはドアの方に向かって言う。

ま、まさか…!涼宮が居るのか?

ドアがゆっくりと開き、すごい剣幕の涼宮が立っていた。孝之は、涼宮に連れられ部屋から消えて行く。

「食い物の恨みは怖いですねー」「まったく…だな…」

320,000HIT記念に続く


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