1,190,000HIT記念品

「水月ー」「なあに…?」「今日の夕食は何だ?」「『なし』よ!」「え!?」

水月の返答に目をパチクリさせる。偶然通りがかった雪さんを捕まえて聞いてみる

「はい。本日は『なし』ですよ」「やっぱりか〜」「どうしたんですか?」「いや…気にしないでくれ…」

「はぁ…」

雪さんは不思議そうに首を傾げる


出かけようとした時、水月に呼び止められる

「あら。どこかに行くの?」「飯を食いに行くんだよ…」「どうして…?」

水月はキョトンとした顔をする

「だって、今日は『なし』何だろ?」

水月はプッと笑う

「まさか、なしって無いってことだと思ってるの?」「え!?違うのか…?」

「ふふふ…今日は梨よ『梨』」「梨〜!」「そうよ…」

何だー梨かー。梨……

「えー!」「な、何よ…いきなり大声出して?」「俺…外で食べてくるから…」

そういって出て行こうとした時、水月に肩をつかまれる

「ご飯は家にあるでしょ?だから、わざわざ食べに行く必要ないでしょ?」

水月はにっこりと笑うが、手にはグッと力がはっており、骨が折れる位の痛みを感じる

「は、はい…」「もう少し待てて、すぐにできるはずだから」


俺の前には、梨ご飯、梨の味噌汁、梨の漬物…など梨を使った物が並ぶ

「それから…特別にこれよ」

特別って何だろ?

水月が置いたのは、紛れもなく玉葱と人参と芋と肉が入ったアレである

「普通は、りんごを使うんだけど。今日は少し志向を変えて梨を使ってみたの。どうかしら?」

確かに…俺は、辛い物には免疫ができてるが…これだけは別物だぞ…絶対に

ちらりと水月の方を見ると、ワクワクした顔でこっちを見る。仕方が無くそれを一口食べてみるがやっぱり辛く、後ろにぶっ倒れる



「大丈夫ですか…?」「俺…生きてるの?」「雪は天使ではありませんよ」

雪さんはそういってニッコリと笑う

「でも、雪さんの天使なら会いたいなー。きっと可愛いだろうなー」

それを聞いた雪さんは白い顔を紅くするする

「雪の天使など…可愛くありませんから…」「そうか…俺は可愛いと思うけど…」

そういって笑うと、雪さんは嬉そうな顔をする

「少し…お待ち下さい…」「え!?雪さん…?」

雪さんは慌てて部屋から出て行き、しばらくして戻って来る

雪さんは恥ずかしそうに顔を紅くする。戻って来た雪さんはどこから持ち出したのか、天使の格好をしている

「お恥ずかしいのですが…いかがでしょうか?」

呆然と雪さんを眺める

「あの…」「え!?」「やっぱり…似合いませんか?」

雪さんは心配そうに聞いて来る。その問いかけに首を横に振って答える

「雪さん…起きた?」「み、水月〜!」

ドアがゆっくりと開き、惨劇が幕を開けるのであった


1,200,000HIT記念に続く

おまけ

戻る