「鏡さん。もっと右よ!右!」
え…右?
「純夏ちゃん。左だよ。左」
えー今度は左?
その後も、皆の声に従い上下左右に動く
「純夏〜!そこだ〜!」
あ、この声は武ちゃん…判ったよ!武ちゃんを信じる!
棒を一気に振り下ろすが、何の感触もなかった
あれ?
目隠しを外すと、西瓜はもう少し先に置かれていた
「た〜け〜る〜ちゃん…」「ま、待て…信じたお前が…」「コホー…コホー…」「ギャー!」「自業自得ね…
「なるほど、この先の西瓜を割れば良いのだな?」「うん!そうだよ。でも、冥夜ちゃんなら簡単だよね?」
「それじゃ、これをして」
榊から目隠しを受け取り、それをつける
「いざ!参る!」
その場から一歩も動かず、棒を西瓜と一直線になるように持ち上げる
「み、御剣さん…」「め、冥夜ちゃん…」「デヤー!」
叫び声と同時に棒を振り下ろす。砂柱が、西瓜目掛けて走りだす。そして、西瓜は見事に粉々になる
「うにゃ!」「ああ…」「どうだ?西瓜は割れたであろう…どうした?西瓜はどうなったのだ?」
目隠しを外す
「榊…西瓜は何処にあるのだ?」「冥夜ちゃんが、粉々にしちゃったんだよ…」「そうか…力を入れすぎたか…」
「たぶん…そんな問題じゃあ何と思うよ…」
「先輩!右です。三歩、右です!」「よし!大空寺、そこで一気に振り下ろせ〜!」「ウリャー!」
スカ
「あん?」「ぷ…馬鹿が居る…」「うがあああぁぁ…糞虫〜!」「うわ!棒を持ったままこっちに来るな〜!」
ピュー!
「待てコラー!」「うわ〜目隠ししたまま、的確に追いかけてますよ」「一種の特技の一つね」「私にもできるかなー?」『え!?』
「遙〜!頑張れよ〜!」「うん任せて!絶対に割ってみせるからね」
目隠しをし棒を構えて歩きだす
このまま真っ直ぐ前に行けば、西瓜があるはだよね?
「ん…?うわ〜!」
気にせずに歩き続ける
確か、ここら辺だよね?
棒を振り上げて一気に振り下ろす
「あ、危ない!」「え!?」
ゴン!
「な、何で…俺のところに…キュー!」
バタン!
え!?
慌てて目隠しをとって驚く、目の前に孝之さんが倒れていた
「お姉ちゃん、いくら西瓜に似てるからって…」「孝之も本望でしょ。遙に撲殺されたんだから…」
「水月…そんなことを言うなよ。こんな奴でも、涼宮にとっては…」「人を…勝手に殺すな!」
「あ、生きてた…」「さすが、ゴキブリ並みの生命力」「たいしたもんだ…」「お前ら、俺を何だと思ってる」
『ゴキブリ!』
ズコ!
「孝之さん…良かった〜!」
本当に良かった…生きてて、このままだと刑務所に入れられるとこだったもん
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