七月七日
「本当か…?」「そんなに驚かなくても良かろう…」「七夕を知らないとは…」

武ちゃん…覚えてるよね?その日が、私の誕生日だって事…

先を歩く二人のかなり後ろをトボトボと歩く。それに気がついた御剣さんがこっちにやって来る

「鏡、どうしたのだ?気分でも悪いのか?」「え!?ううん、全然平気だよ!」

「純夏が風邪なんかひくかよ!」

ムカ!

「それだったら…武ちゃんもひかないね!」「何でだよ…?」「馬鹿だから!」

「馬鹿って先に行った奴が、馬鹿なんだぞ!」「そ、そうなのか…?」

御剣さんは心配そうに私の方を見る

「武ちゃんが変なこと言うから!」「俺が悪いって言うのか〜?」「二人とも…」

みかねて冥夜が仲裁に入る

「ふん!武ちゃんなんて、もう知らない!」「あ〜俺だって知るか…冥夜、あんな頑固者なんて、ほっといて行くぞ!」

御剣さんと武ちゃんはさっさと行ってしまう

「武ちゃん……御剣さん……う〜待ってよ〜!」



「武様。笹の用意が出来ました」「どこに?」「こちらに…」

真那さんは庭に出て行く。そのあとをついて庭に出て驚く

「な、何ですか…これ?」「はい。日本一上質の笹を御用いさせて貰いました」

真那さんはにっこりと笑う

いや…俺が聞きたいのはそうじゃなくって

「何で…こんなに強大何ですか?」「やはり、何事も大きい方が良かろうと思ってな」

「でか過ぎだって!普通は、もっと小さいのでやるんだよ!」「そ、そうなのか?月詠」

「申し訳御座いません…何ぶん、資料の数が少ない物ですから…」「武…すまぬ…」

冥夜は頭を下げる

「べ、別に…誤らなくも良いけど…」「許してくれるのか?」「これくらいのことじゃあ、怒らないって…」

さすが…御剣家だな

「そうだ、真那さん…」「はい?何でしょう…」「あれ?準備出来てます?」「はい。神代、巴、戎に任せております」

さ、三バカに…不安だな〜

「武、あんずる事はない」「そうだな…」


武ちゃんの馬鹿!もう、口きいてあげないんだから…

ベットの上でゴロンと寝返りをうつ

『純夏〜!居るんだろ〜?出て来いよ〜!』

ふん!絶対に出て行ってあげないんもん!

『どうしたのだ?』『純夏が出て来ないんだ…』『そうか…しかし、鏡が居ないと困るのだが…』

武ちゃんなんか、こまれば良いんだよ!

しばらく、ベットの上で転がる。そして、おもむろに立ち上がって武ちゃんの所に行く

そして、そこに広がる光景を見て驚く

「純夏!」「鏡!」「鏡様!」『お誕生日…おめでとう!』

いっせいにクラッカーを鳴らす。呆然とその場に立ちつく

「鏡…?」「鏡様…?」

スパン!

「あいた…何するのさ!」「何をぼーと立ってるんだよ!」「ぼーと何てしてないよ!」

「武と鏡、せっかくの料理が冷めてしますぞ」「よーし!武ちゃん…勝負だよ!」「望む所だ!」

目いっぱい皿に料理をのせて、それを一気に食べ始める。武ちゃんも負けじと食べ始める

御剣さんはふっと笑いながら、その光景を眺める


笹に短冊を結びつける

「純夏は、何て書いたんだ?」

武ちゃんは、私の短冊を見ようとする

「だ、駄目だよ…見られたら効果が無くなるんだから!」「何だよ、減るもんじゃないだろ?」

「武、嫌がっているのに無理に見るようとするのは、感心できんな…」「悪かった…」

武ちゃんは家に向かって歩きだす。そのあとを追いかけてる

「純夏…。ほら…」

武ちゃんはプレゼントを私に投げる

「別に…たいしたものじゃないけどな…」「ありがとう…」

そういって武ちゃんにひっつく

「暑いから離れるって…」「い〜や!」

ーENDー


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