プレゼント
私はベットに横になり天井を眺める。しばらくして、起き上がりカレンダーを見て思う

明日は、私の誕生日だ。

でも鳴海さんはこのことを知らない…。知っているはずが無い。

「はー…何に考えてるんだろー。鳴海さんが、プレゼントくれるといいだなんて…」

ポツリと一人で呟いく。

何故か、すごく気が重くなる。部屋から出ると、下に鳴海さんが居るのに気がつく。

「こんにちは」「やあ〜茜ちゃん」「今日も病院の帰りに寄ったんですか?」「そうだよ」

そんな話をしていると、台所からお姉ちゃんが出て来た。

「あ、茜〜聞いてよ〜」「どうしたの?」「あのね、あのね…」

舞い上がっているお姉ちゃんを、何とか落ち着かせる

「もー…嬉しいのは判ったから少し落ち着いて」「ごめん嬉しくて…」「まったく、遙らしいな」

鳴海さんはその光景を見ながらにこやかに微笑んで居た。

「うー…ひどいよ〜…」「何なの、嬉しいことって?」「うん!香月先生が、もう来なくていいって」

「へ〜それは良かったね」「うん」

お姉ちゃんはすごく嬉しそうな顔をしている。

「俺なんて帰りにそればっかり聞かされてたんだぞ」

鳴海さんは呆れ顔をしている。それはしかたが無いかもしれない、ずっと同じことを聞かされ続けたのだから

「じゃ〜、俺はそろそろ帰るかな。また」「うん、さようなら」「さようなら」

鳴海さんを見送って、しばらくしてお父さんたちが帰ってきた。

お姉ちゃんは早速お父さん達に報告している。その報告は、30分くらい続いた。

「報告はそれくらいにして、ご飯にしよ〜」「あらあらあら…」「そうだな」

「もうー、少しは回りのこと考えてよねー」「ごめんね…」

お姉ちゃんは舌をぺロと出す

お風呂に入ってあと、部屋に入ってベットに倒れむ。

そう言えば、明日は鳴海さん休みだって言ってたな〜だとすると、朝からここに来るのかな〜?

そんなことを考えながら眠りにつく。

ピピッピッピ… カチ 「うん〜…」

今日は私の誕生日。お姉ちゃんがこのことを覚えているかは、かなり心配だった。

そんなことを考えながら下に降りて、ソファーに腰を降ろす。

「は〜…」「どうしたの? ため息なんかついて?」

お姉ちゃんが、不思議そうな顔で覗き込んできた。

「え!何でもないよ」「それなら、いいけど…」

何もすることが無いので、テレビを見ながら時間をつぶしす。

ピンポーン

こんな朝早く、誰だろう?と思いながら出てみると、鳴海さんだった。

「あ!茜ちゃん、ちょうど良かった」「え!? 何ですか?」

「ちょっと外に出てきてくれないか?」「あ、はい…」

なんだろ〜。何か相談かなー?

そんなことを考えながら外に出ると、ニッコリ微笑んだ鳴海さんが立って居た。

鳴海さん所まで行くと、鳴海さんはリボンの付いた包みを、私の前に差し出す。

「はい、これ」「え!」「今日は、茜ちゃんの誕生日だろ?」「そう…ですけど、なんで知ってるんですか?」

「昨日、遙から聞いたんだよ」「お姉ちゃんから?」「そうだ!」「開けてもいいですか?」

鳴海さんは何も言わず、ただ頷いた。中身は、私が前から欲しがっていた服だった。

「これ、貰ってもいいんですか?」「この前、それが置いてある店の前を通った時に遙が『これ茜が欲しがってるんだよ』

って言ってたの思い出してな。あれから急いで買いに行ったんだ」

「ありがとうございます」「家に入りませんか?お姉ちゃんも喜ぶと思いますよ」「そうだな」

家に入って、急いで部屋に駆け込んむ。

鳴海さんが私のためにプレゼントを用意してくれた。

胸がドキドキしているのがよく判る。気持ちを落ち着かせて下に降りると、お姉ちゃんが袋をさだす。

「はい、茜」「ありがとう…。開けても…いい?」

お姉ちゃんは小さく頷く。開けてみると、中身は熊のぬいぐるみだった。

「茜ちゃんには、ぬいぐるみなんてイメージないなー」

鳴海さんのその発言に、キッと睨みをきかせる。

「私だって、女の子なんですからー!」「そうだったのかー?」

鳴海さん目掛けて、スポーツバックが飛んだのは言うまでもない。

それから、しばらく鳴海さんと楽しい時間を過ごしす。

鳴海さんが帰った後、部屋に入り今日貰った服を取り出して「大事にしますね、鳴海さん」そう呟きながら服を抱きしめる。

ーENDー


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