名探偵はニャンコ!?

せかせか…

「ふぅ…これで少しは片付きましたねー」

と言いながら、机の上でのんびりと寛いでいる猫を睨み付ける

「まったく…汚すだけ汚して、張本人は知らん顔ですか…」

手鹿にある雑誌で頭を叩く

「ふにゃ!にゃにする!」「何って、あんたが掃除をしないからでしょうが〜!」

バシバシ…

「動物虐待で…」「訴えれば?あんたが、その部類に入るとでも?」

そういってフンと鼻で笑う

「ふにゃ〜。無理だにゃ〜」「だったら、手伝いなさい!」「でも〜」「良いから!それとも…」

猫はやれやれと首を振りながら立ち上がり、くるりっと一回転して降り立つ。降り立った時は、人間の姿になっている

「さ、始めるわよ!」「別に…私はこのままでも…」「何ですって〜!」

ゴゴゴゴ…

「ふにゃ!」

せかせか…

「わかればよろしい!」

まったく、何でこうもひねくれてるのよ…。

私は、宮代美晴。で、猫から人間に変身した彼女は、宮代晴美

彼女は、私の妹みたいな存在です。とある事件がきっかけで、猫から人間への変身能力を得た猫です

事件は世間の人は、ほんの一握りの人しか知らないよう小さい物ではありませんでした…

しかし、とある人物によってそれをもみ消されたのです

だから、私達はその人物を探すために、こうして探偵事務所を設立したのです

その事件で、私は母を失い。彼女は、両親を失いました。

その犯人を見つけ、警察に突き出すなんてことはしない。ただ、真実が知りたいだけなのだ

「終わったよ〜。どうよ?」

グチャ…

「ま、私が本気になれば…」

スパン!


「で、その犬がいなくなったのは何時頃のことですか?」「はい…一週間前の午後です…」

「なるほど…。特徴か何かありますか?」「そうですねーこれといって…」「では、写真か何かありますか?」

「は、はい…」

依頼人は、鞄から一枚の写真を取り出して私に渡す

「どうか…宜しくお願いします…。私は、あの子がいないと…」「わかりました。任せて下さい。全力でそうしますから」

「宜しくお願いします…」

依頼人は、何度もお辞儀をしながら出て行く

「さー仕事よ!」「何が悲しゅうてそんなペット…」「や・る・の!」「は、はい…」


後日…

「有難う御座います…。なんとお礼を言ったら良いか…」

泣きながら何度も頭を下げる

「あの…これは、少ないですが…」

そういって茶封筒を差し出す

「え、別にいいですよ…。それに…」「いえ…これは、私の気持ちですから…」

半ば押し付けられ感じで茶封筒を受け取り部屋に戻る

「もう…困ったわね…」「どうした?あ!お礼か?」「そんなところかしらね…」

封筒の中をそっと覗いて見ると、諭吉さんが五人ほど入ってる

「いくら?」「これは、貯金に回します!いざって時に困らないためにね」「ケチ…」

キッとにらみをきかせる

「貴女のことだから、トロやら食べさせろ〜って言うんでしょ?」「うにゃ…」

図星ですか…。まったく…

「とにかく、これはもしもの時のための備えとして、貯金しますからね。分かった?」

晴美はぶーぶーと口を尖らしながら文句を言う。私に背を向け、ポツリと…

「そんなにケチだから…ピーにもなって〜」

プチ…ゴゴゴゴゴ……

「うにゃ!」

晴美はゆっくりと振り返る

「うにゃ〜!」

晴美はあわてて逃げようとするが、素手でバレーボールでも掴むかのように頭を持つ

「だ〜れ〜が〜……ピー歳まで彼氏が居ないですって〜」

じわじわと手に力を入れてゆく

「うにゃ〜!頭が…頭が〜!」「誰が…30間近でキスもしたこと無いですって〜」

グッと力を入れる

「うにゃ〜!それは…言ってないにゃ〜」「そうよね〜。内心でそう思ってるんだからね…」

さらに力を加える

「うにゃ〜!そ、そんなこと思ってないよ〜!うにゃにゃにゃ〜!」

コンコン

「お客さんだよ…は、はやく行かないとな…」「命拾いしたわね…」

晴美の頭から手を離す

「うにゃ〜痛いよ〜」「喧しい!」

ふてくされた顔でドアの所に行き、そばに設置してある鏡で身だしなみを整えてドアを開ける

「何か御用でしょうか?」「よ!」

慌ててドアを閉めるが、ドアの間に足を挟んでそれを妨害される

「な、何で閉めるかな〜」

そう言いながら、徐々にドアを力ずくであけてゆく

「なんで…あんたが…」「良いだろうが…俺が何時来ようと…」「そう…ね…」

そんな会話をしながらも、ドアを挟んで熾烈な争いをする

「良いから…入れろ…」「嫌…ですわ…」

ドアがギシギシと音をたて始める


「ほら…牛丼だ!」「どうも!」「わーい!牛丼♪牛丼♪」

結局のところ、こちらが身をひいた訳で…。ドアが壊れたら、修理代はこっちもちだから

ムカつくけどお茶だけは、だしてあげる

「で、今回は何の珍事件を持ってきたの?」「何だよ…俺が何時も…」「持ってきてるでしょうが!」

この人は、一応現役の刑事なんだけど…厄介な事件があるとすぐに私達のところに持ち込んでくる

で、その時のお決まりが壱番屋の牛丼。これを持って現れた時は、何か珍事件を持ちって来たことの証拠になる

「どうだ?ウマいか?」「うん。おいしいよ〜♪」

この馬鹿猫…すぐに餌に釣られるんだから

「で、今回は何なの?」「一緒に来てくれ?」

と言いながら、私の手を掴んむ

「は、はぁ…?」「今回の事件は…男女同伴で子供付!」

アホね…本当の…

「頭の精密検査を受けることを進めるわよ…」

冷ややかな目で見ながら言う

「俺は、いたって正気だ!今回のはこれだ!」

そういって、一枚の紙テーブルに置く

「えっと…。家族の親睦を深めるためのパーティー!?」「そうだ!だから…」

パコン!

「馬鹿じゃない?私とあんたが家族ですって?」「俺だってな〜お前なんかに頼みたくない…だけど…」

「だけど…何よ?」「デカ長が勝手に申し込んだだよ〜。俺とお前とその子でな〜」「え〜!?」

晴美は二つの目の牛丼へと手を伸ばす



戻る