君ラヴクエスト -第拾六章-
「ここが…そうなんだな…」「ああ…間違いない」「それにしても、こんな所にあるなんてね〜」

「ここだは普通だと、とても来れませんね」「確かにな。この標高と吹雪だからな」

「まさに、最後の砦を作るのにピッタリの場所ね」

そんな会話をしていると、城の跳ね橋が下りてくる。

「これは…」「入って来いって言ってるのね」「そうですね」「いよいよ、正念場だね!」

「ハルカ、俺から離れるなよ」「うん!」「絶対に離れないよ!」

ハルカはタカユキにピッタリと引っ付く。

「よし!行くぞ!」「ちょっと待てや!」

ズサー…

「なんだよ!いきなり…」「これの守りはどうするのさ?」

アユはバンバンと飛行船を叩く。

確かにそうだな。俺たちが中に入ってしまうと、こっちの守りが薄くなる。

それに、これが無いと帰ることも出来ないかー。

「その役目、私が引き受けよう」「だったら、私も残るわ。何か来ても、この弓で落してあげるわ!」

「私も残るね」「私も!」「残るのは…ハルカとメイヤとチズルとカガミとマユだな。宜しく頼むな」

「任せるが良い」「絶対に馬鹿を引っ張って来なさいよ!」「帰るところは確保しとくから」

「よし!行くぞ!」

城の中へと入って行く。中に入ってからは、タカユキの道案内で進んで行く。

「こっちだ!」「本当にそっちなんでしょうね〜?」「文句があるんだったら、好きな所に行けば良いだろ」

「それは…」「嫌なら、黙って来い!」「わ、判ったさ…」「ここだ…」

タカユキは大きな扉の前で立ち止まる。

「この馬鹿デカイ扉何よ!」「どうやってあるんでしょうね〜」

扉の大きさに圧倒され、ただそれを見上げる。

「こんな扉なんか、吹き飛ばせば良いだけさ!」

アユは、神殿から持ってきた銃を取り出して構える。アユが撃とうした時に扉が開く。

「はん!この私に恐れをなして…」「罠か?」「どうだろ? だが、この中に居るんだろ?」「ああ…」

「だったら、行くしかないわね」「そうですよ!ここまで来たら、後戻りは出来ません!」

「でも…中から凄く嫌なものを感じるよ…」「きっと、デビハルが居るからだ!」

「デビ…」「ハル…? 何それ?」「ハルカのDNAと悪魔を合体させて作り出された、ハルカだ」

それを聞き、一斉にハルカの方を見てため息をつく。

「うー…何だか、馬鹿にされた気がするんだけど…」「それは、気のせいよ」

「大丈夫だ。誰も『そんなに怖くないな〜』なんて思ってないから」「やっぱり、思ってるんだ…」

「とりあえず、行くぞ!」

一斉に中に中に入る。扉が閉まり、中は漆黒の闇に包まれる。

「何も見えないわよ」「ちょっと待ってて…ライトボール!」「お!少し明るくなった」

「皆、居るか?」「居るみたいですよ」「これからどうする?」「そうだなー。この暗闇では…」

話し合っていると、いきなり部屋中の明かりが灯り、眩しさに目を瞑る。

「ようこそ!」「いらっしゃい。ここがあなた達の死に場所だよ」「あいつか?」「そうだ!」

「うわ〜。物凄く大胆な服装だ〜」「普通の神経だと、とても着れないわね」「ふえーん…そんな服を着ないで〜」

デビハルはタケルの側に行き、キスをする。

「タ、タケル!貴様!」「デビハルか〜…萌え〜…」

水月は、俺とタカユキの尻に火をつける。

『あちちち…』「しばらくそうしてなさい…馬鹿!」

「タケルさん!カガミさんが待ってます。一緒に帰りましょう」

「スミカ? そんな奴も居たなー。今の俺には、こいつが居るだけで十分だ」

側に居るデビハルを引き寄せる。

「仕方がないですね。倒すしかないようですね」「ふふふ…私達を倒すんですって」

「それは面白い冗談だな」「そうだね。無理なことをして、死に急ぐんだから」

「こんな奴に話しても無駄さ! 先手必勝!」

アユは空に飛び上がり、デビハル目掛けて撃つ。

「くらえ〜!ツインバスターライフル!」「短気な人…サイクロン」

デビハルを軸に竜巻が起きる。その竜巻によって、アユの攻撃は方向を変えられる。

「なら、真上から狙うのみ!」

アユは竜巻の真上まで飛んで行き、下向きに構える。

「その羽は…邪魔だね。ウインドアロー!」

アユの羽を真空の刃が切り裂く。羽を失ったアユはまっ逆さまに落ちて来る。

「うがあああぁぁぁ…」

落下地点まで走って、アユを受け止める。

「大丈夫か?」「これくらい、たいした事無いさ…」

そう言って自分の羽を見る。

「…この羽は使えないわね」「ハルカ!ヒーリングを」

「うん! ヒーリング」「さ〜どうする? お前らごときに俺が出るまでも無いがな」

どうする…うかつに飛び込めば、デビハルの魔法が…。打つ手は無いのか…?

「凄いですね。一発で魔法を成功させてます…」「そうね。ハルカでは考えれないわね」

「うー…2人とも馬鹿にしてる…」

第拾七章に続く


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