教室でボーっとすごしている時
「よう!」「ん〜?」
めんどくさそうに声の方を向く
「何だ『自称、特報男。矢島純一 三十二歳』か…」「ちょっと待て!俺は、そんな歳じゃないぞ!」
「あっそ…」
そういってそっぽを向く
「ままま…。これを見てくれよ…」
純一は手近の椅子を引張ってきて座る。純一は、机の上に一冊の週刊誌を置く
「これがどうかしたのか?」「良くぞ聞いてくれた!この雑誌に、投稿写真ってのは知ってるな!」
週刊誌『EGG!』の中の、登校写真のコーナーのことだ。このコーナーでは、アダルト系の写真から風景写真まで幅広く取り扱っている。
人気があるのかは、定かではないが…まぁ続いているのだから、それなりに人気なのだろう
「で、それがどうかしたのか?」「これだ!」
純一ビシッと指差す。そこには、女性の首から下を撮影した写真が掲載されている
「良く見てみろ…誰かに似てないか?」
似てないかっといわれても、これだけでは何とも返事がしがたい
「この胸!そしてこのくびれ!この尻!」「大声で叫ぶな…」「あ、悪い…。この写真の奴は、速瀬に見えないか?」
水月に…?何処がどう、水月なのかさっぱり解らない
「悪いが、俺には解らん!」「少しは想像しろよ。速瀬の裸をよ〜」
純一がそういった瞬間、バタンと机に倒れる。ゆっくりと視線を下に向けると、ソフトボールが転がっている
「誰の裸を想像するのかしら〜?」
ヒクヒクと笑いながらこっちに来る。ここは、教室の最後尾。水月は教室の最前列。恐ろしいコントロールと耳だ
「ふ〜ん。これが、私ね〜」
水月は、ギロッとこっちを睨み付ける
「こんな物を学校に持って…来て良いと思ってるの?」「お、俺じゃない…純一が持って来たんだ…」
「純一がねぇ」「お、俺は見てないからな…」
耀様に動揺しながら弁解する。水月は、ニッコリと笑う
「そう、見てないの。良かった〜」「え…?良かった…?」「実はね、これ…私なの…」
「は、はい〜!」「この前ね、更衣室で隠し撮り事件があったの。その時の写真だと思うの…」
そういえば、少し前にそんなことがあったな〜。この写真は、その時のだったのか。
『ちぇ…損したなー。もっとじっくりと見て、水月の裸を目に焼きつけとくんだった…』
「目に焼き付けるですって〜」「ま、まさか…エスパー?」「全部、口から出てたわよ…」「ま、マジ!」
水月はゆっくりと頷く
「さ、屋上で少しお話しましょう」「い、今は冬だし。今朝は雪も…」「大丈夫よ。すぐに暖かくなるから〜」
水月は、ニコニコと笑いながら言う。有無を言わさず、純一と一緒に屋上へと引張られて行く
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