君のぞRPG〜エピローグ〜
彼が私の前から消えて…数年が絶つ。皆はそれぞれ、普通の生活に戻っていった。

世の中は、彼が最初から居なかったかのように流れていく。

私は、それでも待ちつづける。彼が最後に言った言葉を信じて…

『また、会おうな!俺も大好きだ!』この言葉を信じて…

ピンポーン!

走って玄関に行き、ドアを開ける。ドアの向こうに居たのは、茜だった。それを見て溜息をつく

「あれ?来たら…まずかったですか?」

茜は複雑な顔で言う

「そんな事ないわよ…」

そう言って、力なく笑う

「水月先輩…ご飯食べてますか?」「もちろん…」「嘘です!どうして、私に嘘を着くんですか?」

茜の問い掛けに、思わず後ろに二、三歩下がる

「今の水月先輩を見れば、すぐに判ります!」「言いたい事は、それだけ?」「え!?」「それだけなら…」

そう言いながら、ドアを閉めようとする。茜は手でドアを止めて、中に入って来る

そして、私の頬を引っぱたく。叩かれた場所に手をそえながら、茜を睨みつける

「今の水月先輩は、私が好きだった…先輩じゃあありません!」

そう言う、茜の目には涙が溜まっていた

「もっと、自分を確り持って下さい!今の水月先輩は…」

茜は下唇を噛みながら下を向き、手をグッと握り締める

「水月…」「遙…」「水月…一緒に探そう…ね?」

それを聞いて、首を横に振る

「どうしてですか!」「これは、私の…」「それは、判ってる…でも、今の水月を見てるのは…」

「私は、水月先輩が反対しても、探します!」

茜はそう言って、走って行く。急いで、それを追いかけようとすると、遙に止められる

「まずは、何か食べないと…」

遙はそう言って、にこやかに笑う。


「ご馳走様…」

バタン!

「ハァハァ…何か…飲むものを…」

バタン!

「遙!水!」「う、うん…」

遙は、慌ててコップに水を入れて、茜に差しだす。茜はそれを受け取ると、一気に飲み干す

「そんなに慌てて…どうしたの?」「見たんです!」「誰を?」「決まってるじゃない!」「何処で!」

茜の肩を掴んで揺らす

「うわー…水月先輩…やめて…下さい…」「あ、御免…つい…」

茜は軽く頭を振る

「この近くです!」「え!?この近くなの?」

そう言って、外に出ようとした時に、茜に足を掴まれて顔から床に倒れる

「あ〜か〜ね〜!」

ソフトボールを握りしめながら、茜の方を向く

「待って下さい!ちゃんと、訳を聴いて下さい…」「水月…何か、訳があるみたいだよ…」

「おかしいんです…何だか、まったく別人みたいなんです…」「え!?別人って…」

「私が前から歩いて行っても、全然気がつかないし…」「何か他のことが気になってたのかなー?」

遙の発言に、寒い風が吹き抜ける

ピンポーン!

「あ、私がでます…」「良いわ。私がでるわ」

そう言って玄関に行って、ドアを開ける。ドアの向こうに居たのは人物を見て、慌ててドアを閉める

ドンドン…

「どうしたんですか?」

茜が、不思議そうな顔で聞いて来る

『水月先輩…空けて下さい』「この声って…」

ウンウンと頷く。

「私がビッシと言ってやります!」「お願い…」

茜はゆっくりとドアを開けて出て行く。しばらくして、茜がドアを開けて、顔を覗かせる

「水月先輩…冷静に聴いて下さい…」「どうしたの?」「この子が…」

茜の言い方に、思わず生唾を飲み込む。茜がドアを開けると、眩しい光が差し込んで来る。思わず、目を瞑る

「水月…」

え!?この声…ってもしかして…

ゆっくりと目を開ける

「どうした?俺の顔に何かついてるか?」

その問い掛けに首を横に振る。気がつくと、茜と遙は何処にも居なかった


「お姉ちゃん…あれは、やりすぎじゃない?」「そうなかー?」「でも、水月先輩。喜んでるよね」

茜はそう言ってにこやかに笑う

「うん!そうだね!」

遙もニッコリと笑う。そして、家に向かって歩いている二人の後ろで大きな爆発が起きる


「あんたー!いったい、今まで何処居たのよ!」「落ち着け…な?話せば判る…」

「私が…どれだけ心配したか…判ってるの!」

ドコーン!

「うひゃー!」「コラー!逃げるなー!」「俺は…この時間に飛ばされた…だけなんだぞ…」「煩い!」

ドコーン!

「あがー!」

ーENDー


戻る