待ち合わせの駅前で一人、腕時計を眺めながら待ち続ける

「お待たせ〜」

声がした方を見るが、別の人だった。

「遅い!」「御免…行こうか…」「うん!」

少し切なくなり始めた時、肩を叩かれる。振り返ると、そこには私が待っていた人が立ってた

「御免…はぁはぁ…遅くなった…」「遅いよ〜。ずっと待ってたんだよ…」

そういってぷーと膨れる

「少し寝てたら、目覚ましが鳴らなくて…」「そんな言い訳なんて聞きたくない」

そういってプイッとそっぽを向く

「でも、来てくれたから…許してあげる…」

そういってテヘッと笑う。それを見て、ほっとした顔をする

「どこに行きたい?」「私は、どこでも良いよ…」「あそこ行こうか…」


「はぁ…はぁ…」

肩で息をしながら丘を登る

「大丈夫か…?」

心配そうな顔をしながら戻って来る

「うん…大丈夫だよ…」「そうか…?ぜんぜん、そうは見ないけど…」

リハビリだからといって、一人で歩いてここまで来た。頭を掻いたあとで、すっと私の方に手を出す

「え…」「ここからは一緒に行こう」

優しく笑う。私も笑顔で頷き、その手に自分の手を重ねる


丘の頂上にたどり着いて、そこから景色を眺める

キラキラと街の明かりきらめき、すごく綺麗に見える

「座らないか?」「うん…」

丘に腰を降ろす

「綺麗だね…」「そうだな…」

しばらく、何も云わずにその景色を眺める。景色を眺めている時に、風が吹いてぶるっと身震いをする

それに気が付き、自分のコートを脱いで私にそっと掛ける

「あ…」「これで寒くないだろ?」「でも…」「俺は…」

後ろから抱きつれ顔を紅くする。胸板が私の後ろ頭にあたる

「こうすれば、俺も暖かい…」

顔を紅くしながら俯く。目の前を一つの白い物が、ゆっくりと落ちて来る

そっと手を出してそれを受け止めると、私の体温でゆっくりと溶けて無くなる

「ホワイトクリスマスだな…」

上を見ると、沢山の雪がゆっくりと落ちて来る

「わ〜。綺麗…」「そうだな…」

フッと笑う。ゆっくりと顔を近づけて、口付けを交わす


「遙…」

そう私から離れながらポツリという

「え…なあに?」

頬をポリポリと掻きながら、申し訳なさそうな顔をする

「あのな…」「う、うん…」「プレゼント…買ってないんだ。御免!」

私に向かって、両手を合わせながら頭を下げる

「うー楽しみにしてたんだよ…」

目をウルウルとさせる

「本当に御免!仕事が忙しくて、買いに行く暇が無かったんだ…本当に御免!」

必死になって頭を下げる。その光景を見ていて、思わずぷっと笑いだす。はえ…?といった顔をしながら私を見る

「私…貰ったよ。プレゼント…」

そういってニッコリと笑う。訳が解らないといった顔でポカーンとしている。いきなり抱き付いて囁く

「私のプレゼントは…クリスマスを一緒に過ごしてくれるだけで十分だよ」「そうか…」

そしてまた、口付けを交わす。離れ、手を駆られめて頷いて目を閉じる

「夜空に瞬くように…」「溶けた心は離れない…」『例えこの手が離れても…』

目を開けて顔をじっと見る。お互いの顔をじっと見詰める

『二人がそれを…忘れぬ限り…』


「そろそろ…帰るか?」「うん。そうだね…」

丘を降りる時に、腕に自分の腕を絡めて体を引っ付ける

「ねぇ…」「何だ?」「今から…家に行っても良いかなー?」

それを聞いてフッと笑う

「当然だろ。さ、行こうぜ」「うん!」

家に向かって歩きだす。今日は、私が過ごしてきたクリスマスの中で、一番素敵な日だった……



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